俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

2008-01-01から1年間の記事一覧

クールス「CLIMAX」

年末年始のお休みのため、明日から1月初旬まで更新を休みます。 今日は気がゆるんでビールを飲みすぎました。冷蔵庫から氷を取り出し、ピッチャーに冷たい水をたっぷり汲んできて飲みながらこれを書いてます。 しかし何ですね、去年の今頃は、まさか自分が…

剽窃の擁護

中井英夫「黒衣の短歌史」(『中井英夫全集 [10] 黒衣の短歌史』、2002年、東京創元社)を読んでいて、ハッとするような引用にぶつかりました。アナトール・フランスが『剽窃の擁護』なる著作で、次のように言っているそうです。 「思想をぬすまれたと思…

中森明菜「さよならをするために」

クリスマス・イヴですか… ひとりきりのクリスマス・イヴにももう慣れっこになってしまって、この時期はクリスマスという以上に、短い冬休みの始まり、というのが嬉しいですね。ふだんはまとまった量の本なんか読む時間はないから、10日近い時間があればあ…

木之内みどり「硝子坂」

高田みづえさんのヒットのほうで有名ですが、もともとは木之内みどりさんのアルバムの収録曲、だそうで、iTunesStoreで購入。たぶん1976年ごろの作品だと思います。高田みづえさんの根性の入ったヴァージョンとはだいぶ違う味わい。こちらのほうが詞のシュー…

石川ひとみ「まちぶせ」

いやもうこれは何というか…。 三木聖子さんの「まちぶせ」を石川ひとみさんがカヴァー。こっちのほうが人びとの記憶に残るヒットになっているかもしれません。ただ、僕は三木聖子のシングルをすり切れるほど聴いた口ですからねえ… 今日、iTuesStoreで遊んで…

黛ジュン「フジヤマ・ママ」

引き続き黛ジュン。こんな曲も歌ってますね。ロカビリー歌手、ワンダ・ジャクソンの曲のカヴァー「フジヤマ・ママ」。しっかし、洒落にならない歌詞ですな。「あたしゃナガサキにも行った。ヒロシマもあたし。おんなじことアンタにしてあげてもいいわよ」っ…

黛ジュン「ホワット・アイ・セイ」

引き続き黛ジュン。昨日は「八木節」でしたけど、それと続けて聴いても何ら違和感ないですよ。レイ・チャールズのカヴァー「ホワット・アイ・セイ」。黛ジュンさんの持つ独特のコブシがブルーノートスケールと抜群の相性。きのうの「八木節」もまた、ブルー…

黛ジュン「八木節」

今度の週末は黛ジュン。こないだセコハン屋で買った二枚組CD『黛ジュン・情熱のミニスカ・ダイナマイト』、通して聴いてみます。 モノラル・ブラザーズ(ゴンザレス合林&ボンジュール末次)選曲・監修となっています。かなり詳しい解説がついていて、実はこ…

島倉千代子「人生いろいろ」

今日は正直、ネタに困ってですね、とっておきのこの曲について書きます。 中山大三郎作詞 浜口庫之助作曲 島倉千代子「人生いろいろ」 コレを今書くために、困ったときのグーグル検索でいろいろ知ったのですが、これハマクラさんなんですね。CD持ってなくて…

ひと休み

今日、あるところで熱を測ったら37.5度。「他に風邪の症状はありますか?」ときかれたんですが、「いいえ別に」。おっかしーなー。もう一度計りなおしたら37度でした。 それでも平熱より高いことは間違いないですね。帰宅して食事してるうちに、そういや確か…

ポール・モーリア「涙のトッカータ」

唐突ですが、僕は今のところずっと一人暮らしをしてます。独身のまんま颯爽と歳をとってゆく、それも悪くないかなあ…なんてつぶやきながら。 で、このまんま歳をとっていくとして、心配なことがいくつかあって、そのひとつが、歳をとったらどんな音楽を聴け…

西島三重子「池上線」

あ-、西島三重子「池上線」。iTunesStoreのジニアスというのはアマゾンのおすすめみたいな機能で、ある楽曲を買うと、関連するものがサイドバーに表示される機能です。りりィさんか何かを再生してたらコレが。この曲は、CDの山を整理すれば出てくるはずなん…

舟木一夫「高校三年生」

遠藤実さんが亡くなりました。 遠藤さんというとミノルフォンレコードの創業者で、その「ミノルフォン」というネーミングがなければ、近田春夫&ハルヲフォンというバンド名もなかったわけで。あんまりしつこく言いたくないですが、ハルヲフォンはほんと、僕…

どうせ天国へ行ったって

渚ようこさん『novella d'amore』収録の一曲。カーステレオでかけっぱなしにしてると、この曲からたてつづけに三曲、やけに詞が「突っかかってくる」感じ。今確認すると、阿久悠さん作詞です。 小心に世の中のルールを守りながら暮らす僕ですが、そうやって…

ブルーハーツ「泣かないで恋人よ」

ゆったりとしたラテンのリズムを刻むドラム。スライドギターにアコギ。ピアノにアコーディオン。そしてまっすぐに伸びるヒロトの声。生きていくうえで、遅すぎることなんて、何ひとつありはしないのだ、というメッセージソングです。たまに聴きたくなります…

岩崎宏美「シンデレラ・ハネムーン」

岩崎宏美さんの最高傑作って、コレじゃないでしょうか。阿久悠作詞、筒美京平作・編曲「シンデレラ・ハネムーン」。 もうずいぶん昔、最初の大学に通っていたころですが、自主制作映画の上映会で、長崎俊一監督の『ハッピーストリート裏』という16ミリ映画を…

岩崎宏美「スローな愛がいいわ」

先日、職場の構内を、落ち葉を踏みしめ夕陽を浴びながら歩いていて、ふいに「自分は結婚しなくてよかったな」という天啓のようなものに打たれました。 三浦徳子作詞 筒美京平作曲 萩田光雄編曲 岩崎宏美「スローな愛がいいわ」 おとぎ話を夢見ながら、いつも…

ジェファーソン・エアプレイン「ホワイト・ラビット」

勤務先にささやかな図書館があります。 大きな総合大学の付属図書館とは比べるべくもなく、本格的な調べ物をするときには、わざわざ他の街の大学へ出向いて調べるのですが、時々、覗いてみると、うちの図書館も、なーんにもないわけではない、ということがわ…

Puffy「ハイティーン・ブギ」

パフィの80年代ポップのカヴァー集『The Hit Parade』が、どこ探しても出てきません。 あれは4年前。学会で訪れた街で、午後、疲れたので会場を抜け出して、車で街をぶらぶらし、中古CD店でこれを見つけて買いました。あの時はくるまでしたから、すぐカー…

岩崎宏美「女優」

岩崎宏美さんの三枚組ベスト『コンプリート・シングルズ』は、もうこれは家宝ですね。これなしには夜も日も明けない(は大げさか)という状態です。 ただし、僕がいつも聴いているのは三枚組のうち一枚目だけ。デビュー曲「二重唱(デュエット)」から「女優…

小阪由佳「魔法使いサリー」

これ、酔っ払った勢いでiTunesStoreで衝動買いした一曲。小阪由佳「魔法使いサリー」。アニメのテーマ曲のクラシックを、いまどきのキュートな女の子がコケティッシュに歌い上げます。買ってびっくりしたのは、これ、動画つきなのね。iTunesで再生すると、デ…

はちみつぱい「塀の上で」

以前にもちらりと書きましたが、このCD、せっかく持ってるのに、ちゃんと聴きとおしたことがありません。 はちみつぱい『センチメンタル通り』(1973年、ベルウッド・レーベル) ムーンライダースの前身、という位置づけは大ざっぱ過ぎますか。70年代初頭、…

N.S.P「おとぎの国のお話」

音楽の趣味ってのは難しいもんでして。僕は、音楽に関しては好き嫌いがすべて、という人間です。嫌いなものは無理して好きになろうとしないこと。他人がいいと言うものでも、自分は好きになれない、そんな音楽だってあります。そういうのは視野の外において…

森川美穂「教室」

大学院に入ったとき、後輩の学部生が「学生新聞の仕事で森川美穂にインタビューしたことがある」と言うのを聞いて、へえ、とびっくり。当時すでに、彼女は学園祭の女王の異名をとる実力派ヴォーカリストだったようです。でも僕は、そんな風に本格的アーティ…

アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『アーバン・ブッシュメン』

昨日、タモリさんの「ソバヤ」を聴いてるうちに、これが聴きたくなりました。アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『アーバン・ブッシュメン』(1980年)。 アフロ的なフリージャズというと、僕の世代はこれですね。アルバムは持ってなかったけど、ジャズ喫茶…

タモリ「ソバヤ」

昨日、中島みゆきさんの「蕎麦屋」について書いたら、無性に蕎麦が食べたくなりました。冷たい蕎麦も大好きなんですが、この時期になるとやっぱりあたたかい蕎麦が食べたくなりますね。別においしい店に食べに行かなくても、ご飯のおかずがないときなんか食…

中島みゆき「蕎麦屋」

ああ、こりゃあいい曲だ… 70年代終わり~80年代をニュー・ウェーヴの大波に洗われた僕の教養には、大きな欠落がたくさんあります。そのひとつが中島みゆきさん。『親愛なる者へ』『生きていてもいいですか』『臨月』などのアルバム収録の<いい曲>の数々、僕…

ローリー・アンダーソン「オー・スーパーマン」

岡崎京子さんの『東京ガールズブラボー』を読み終えて、たくさんの80年代のアーティストたちの名を思い出しました。ほんっと、忘れてたーって名前もありますね。ローリー・アンダーソンもその一人。 80年代の初めに文化放送で『ミスDJリクエストパレード』(…

ひきつづき岡崎京子『東京ガールズブラボー』

そんであたしは高校卒業するまでに 6回家出して6回ともつれもどされた その間にYMOは散開しディズニーランドは千葉にできて ローリーアンダーソンがやってきて 松田聖子がケッコンした ビックリハウスが休刊して「アキラ」が始まった 何となく「どんどん終…

ひきつづき岡崎京子『東京ガールズブラボー』

というわけで、印象に残る場面だけ拾っていっても3,4回では書ききれないぐらいあります、『東京ガールズブラボー』。今回書かなければと思うのは、ガールズのほうではなくて、ニュー・ウェーヴ少年のほうです。この作品には、サカエちゃんに恋をする犬山…