俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

幕末の蘭学塾生の一〇〇の一の努力ということについて

幕末から明治初期にかけての青年たちの勉強ぶりは、すさまじいものでした。福澤諭吉の『福翁自伝』には、適塾時代の勉強ぶりについての回想が記されています。ある日諭吉が風邪をこじらせて横になろうと思って枕を探したら、見つからない。よく考えたら、過…

Since I Met You Baby

The U.S. and the E.U. will never fully agree on how best to handle Russia, mainly because Europe is far more vulnerable to the trouble Moscow can start. Even before sanctions were put in place following the start of the Ukrainian conflict,…

韃靼人の踊り

イギリスの日本に対する支援で重要だったのが情報の提供です。イギリスは、ロシア軍がいまどういう状況であるのか という軍事情報をさまざまな形で日本に提供しました。イギリスは一九〇二年、日英同盟を結んだ年に、世界の植民地や主要国との間の海底ケーブ…

威風堂々

ところで、たしかにロシアは日本に近づいてきてはいましたが、日本に近づいてきた列強はロシアだけではなかったはずです。そもそも日本を開国させたのはアメリカですし、日本に大きな影響をもったのはイギリスです。フランスもやってくるし、ドイツも遅れて…

弦楽セレナーデ~階層社会では上位にたどりつけるのは「いい人」だけ

「嫌なやつ」は社会的に上昇できないんです。階層社会では上位にたどりつけるのは「いい人」だけなんです。「知らないことを知らないと言える人」「他人の仕事まで黙ってやる人」「他人の失敗を責めない人」だけが、相互支援・相互扶助のネットワークに呼び…

deja vuが逃げる頃

システムのあちこちに故障や部品の劣化が発見されて「ここ壊れたよ!」という声が上がったときに、「はいはい、おじさんが修理しておきますからね」と、さくさくと手当てをしてくれる人が一定数必要です。全員が「おい、ここ壊れているぞ。早く何とかしろよ…

オーケストラのための協奏曲

[…」学校の先生は、かつては父親の代理物になれました。子供にとっては父親と同じくらいの権威者でしたから。でも、今、学校の先生は、父親ともども、その権威を丸裸にされてしまった。政治家と文科省とメディアと保護者が総がかりで、学校教育における父権…

嘆きの夜曲

女性たちは、クラブ、キャバレー、料亭は勿論のこと、 ススキノで働く総ての人は教養と情と色気があった。遊び過ぎて財布が空っぽになれば、そっと車代をママが手渡してくれた。今はそんな粋な人はいない。夕闇迫るとネオンが輝き、今宵も素敵な出会いを夢見…

スコーピオン

戦前においては、東京帝国大学の農学部は医学部より難しかった。農学部だけで、東大のほかのキャンパスを合わせたのと同じくらいの広さがありました。農学部ではありませんが、柳田国男ものちの東大法学部で農政学を専攻しています。 資本主義の極意 明治維…

History of World Economy

新入生の中には伝説的な秀才が一人いるはずだった。模擬試験ではいつもダントツの一番、イノウエノボルの名は近隣の受験生の間にとどろいていて、それぞれの中学校のローカルな秀才たちに格段の差をつけていた。井上君は、その後もたいして勉強しているよう…

鈴虫の鳴き声~パリピになんかならなくてもいい

さらにHさんに限らず、調査に応じてくれたパリピの若者たちは、自分に圧倒的な肯定感を持っている人が多い傾向にありました。彼らは自信家なので、多少言葉が足りなくても、躊躇せずコミュニケーションを取ろうとします。その躊躇のなさが、彼らが広い人間関…

ポーリュシカ・ポーレ

スピーチで特に注目を浴びたのが、フィラデルフィアのピープルズ・カレッジの学長オリバー・シャット博士だった。博士はかつてエカテリーナ二世の孫にあたるアレクセイ・ボブリンスキー大公家の家庭教師をしていたロシア通である。博士は大公からじかに聞い…

Mr.PC

プッチーニの有名なオペラ『ラ・ボエーム』の原作は、『ボヘミア生活の情景』というアンリ・ミュルジェールの小説である。この本は十九世紀パリの陋巷に青春時代をおくる若者たちを描いたものだ。わたしはE・W・ヒューガスの英訳(一九三〇年)で読んだが、…

一年間だけ英語教師をやったころの思い出

そのような日本人と英語の長年にわたる関係を考える時、特徴的なことがいくつかある。[…] ひとつは、誰もが英語に関しては一家言あり、それぞれの主張や意見を強く持っていること。どんな職業であろうと、老若男女を問わず、話題に事欠いたら、英語を出すと…

伊藤咲子「リトル・プリンス」

私は一九六〇年生まれなので、高校生時代の七〇年代後半は、かつての学園紛争の嵐は過ぎ去っていた。しかし、社会や政治に関心をもつ高校生は、マルクス主義系の本を熱中して読んでいた。私が学んだ埼玉県立浦和高校でも、新聞部や文芸部に所属する生徒は、…

銀河鉄道の夜

「ザネリ、烏瓜[からすうり]ながしに行くの」ジョバンニがまだそう言ってしまわないうちに、 「ジョバンニ、お父さんから、ラッコの上着が来るよ」その子が投げつけるようにうしろから叫びました。 ジョバンニは、ぱっと胸がつめたくなり、そこらじゅうきい…

蒙古放浪歌

この国民同盟会には、近衛篤磨を中心に東亜同文会の会員、対外硬の各党議員、玄洋社と大陸浪人の一派などが加わっていた。その顔ぶれは、右翼のリーダー頭山満から”東洋のルソー”と称された民権主義者の中江兆民(本名・篤介)まで幅広い。頭山満を中心とす…

ドリアンスケールを攻略してアドリブのネタを増やそう

ドリアンスケールを攻略してアドリブのネタを増やそう こないだ札幌へ行ってから、一か月たつ。あのときは、夏ジャケットを着て行った。仕事を辞めてから、あんなスタイルばっかりだ。 あのときは、老母に「バス停まで迎えに来て」と電話したら「クル…

北24条→北18条

「僕は、いとしきわれわれの怠惰のために乾杯する! われわれは働いた一日をあまり憶えていることはない……しかし、われわれが忘れることがあるだろうか、今宵のごとき物憂き夜の、いとしき倦怠を。この煙草の煙のように間のびした夜の……『時』を遅らせる力さ…

Darn That Dream

Sarah Vaughan & Count Basie Orchestra - Darn That Dream (Mercury Records 1958) […]さんは、ジャズ豊潤の地北海道の地元情報をいつも教えてくださいます[…] 聴いたら危険! ジャズ入門 (アスキー新書) 作者: 田中啓文 出版社/メーカー: アスキー・メ…

Chihuahua

西洋の歴史上、動物の言葉を解する有名な人は三人いた。ソロモン王、アッシジの聖フランチェスコ、そしてドリトル先生である。[…]先の二人のうち、先生は後者によほど近い。ドリトル先生と聖フランチェスコに面影の似よりがあることには、多くの人が気付い…

ためらいのブルーズ

「ハズレを引きたくない」。この、人生観にまで連なるマイルドヤンキー、特に地元族の徹底的な安定志向は、こういったところにまで浸透しているのです。 ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書) 作者: 原田曜平 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売…

いなせなロコモーション

「外国語が出来るというても、ぐじゃぐじゃ何を言うているのかわからぬような外国語でなければ駄目だ。我々の英語はビジネスには役に立つが、その他のことには役立たぬ。ぐじゃぐじゃ何を言うているのかわからぬような家庭の言葉が出来なければ、本当に打解…

Hotel Pacific

HOTEL PACIFIC ホテル パシフィック(サザンオールスターズ コピー)いとしのエリーズ いいじゃんかわさき 2015 夏祭りの季節がすぐそこだね。 こういうコピーバンド、いいなあ。「いとしのエリーズ」というバンド名、「裸のラリーズ」みたいで、いいよす…

うみべのこい

すぐに撤回され、なかったことにされる発言、「資料がない」からといって否定される事実、あるいはお互いに罵倒の言葉をぶつけ合うだけの「論争」、そういうシーンを見ていると、なんだか、ことばを使うのがイヤになってくる。 ぼくらの民主主義なんだぜ (朝…

Flying Colors

地方国立大学の教師である筆者がいちばんムカついている[…] のは、第一章でも触れた学生のニーズ言説である。当たり前のことだが、人間にはいろいろなレベルでのニーズ(欲求)があり、学生のニーズにもいろいろな段階がある。「授業にできる限り出席しな…

ムッシュかまやつ~難しいコードをたくさん知っている先輩

ゴロワーズを吸ったことがあるかい / ムッシュかまやつ&和幸 メモ代わりに。 BS-TBSで5月25日に『坂崎幸之助のレコード時代』というのをやっていましたね。 坂崎さんがメイン司会で、となりには初めてレコードプレイヤーに触るという若い女性アーティス…

サマータイム・ブルース~ハマリ役ということについて

Brian Setzer-Summertime Blues メモ代わりに。 老母によると、深夜(本日未明)、『トットてれび』の第一回の再放送をしていたらしい。満島ひかり演ずる黒柳徹子が、NHKに女優として採用されるも、通行人役さえ満足に務まらず…と老母が言うので、「笠置シヅ…

家路~アイラーは別に破壊せよとは言ってないんじゃない?

破壊せよ、とアイラーは言った (集英社文庫) 作者: 中上健次 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 1983/09 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (17件) を見る よくわからんのだが。この本、実は未読で、図書館に借りに行こうと思っ…

Turn Down Day

週刊文春の記事が掲載されてから、私の友人たちは(口に出す者も出さない者もいるが)、書き手である私を指して「ゴーストライターがゴーストライティングの批判をしている」と思っていたはずだ。私はフリーランスの書き手になって四半世紀たつが、これまで…