2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧
全共闘の頃、学生に「アッツ島玉砕の歌」といったら、「俺知ってる、それ」と、一高寮歌を歌い出した。〽嗚呼ギョクサイに花うけて、「海往かば」は、〽海は広いな大きいな、だった。 妄想老人日記 (中公文庫) 作者: 野坂昭如 出版社/メーカー: 中央公論新社…
日本人の書き下し小説がむやみに長くなったのはワープロのせいだというが、さっぱり面白くないのは、多分、こっちがズレてしまったのだろう。 妄想老人日記 (中公文庫) 作者: 野坂昭如 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2010/03 メディア: 文庫 クリッ…
[…]たとえば干魚や塩漬けなどでも、新鮮な魚を海から遠い土地でいかにうまく食べるか、という工夫で作られたもの。京都ではまさに「お造り」という言葉で伝えているし、海の近くなら、なおのこと、ぼくは刺身はむしろ、ご飯と一緒に食べる方がおいしいと思…
小説誌ゲラ了。小説ではことさら昔の文体をなぞっている、愚の骨頂。 妄想老人日記 (中公文庫) 作者: 野坂昭如 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2010/03 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (6件) を見る ああこの人にしてそうか、と…
伊勢崎あすか幼稚舎 ショスタコーヴィッチ 交響曲第5番 革命 原稿はかどらぬまま、立松和平「光の雨」読む。隔靴掻痒の感じ、この島国で革命をどう扱っても、もどかしさが残る、日本語自体、政治小説にふさわしくない感じさえしてくる。もはや日本の現代小…
小説が読まれなくなったといわれて久しい、とまでいわないが、一種のバブル現象は消えた。昔と比べても詮方ないが、大正時代初版三千部で、一族郎党親戚縁者恩師弟子友人たち、大喜びして、祝宴を張ったらしい。読者が一万人いれば小説の場合、書き手は幸せ…
白い道《歌詞付き》 曇。小説誌の短篇に取りかかる。以前、原稿用紙二、三枚のうちに、同じ形容、常套句、接続詞を用いることはなかった。今は字にしたとたん、ハッと気づくほど、近接して使っている。 妄想老人日記 (中公文庫) 作者: 野坂昭如 出版社/メー…
娯楽雑誌小説の文章を読んでいると、正しい日本語は、翻訳家、特に女性が受け継いでいるように思う。 妄想老人日記 (中公文庫) 作者: 野坂昭如 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2010/03 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (6件) を…
わたしたちはよく、外国文学研究そのものに対してネガティヴな反応に接する。それはたとえば、「外国の文化や文物を研究して、一体なんの役に立つのですか。外国人のようには、どうせわかるわけがないでしょう?」と言う問いの形を採る。だが、由良は、ひと…
埴生の宿 童謡 唱歌 たしかに、戦後日本は外国文学を理解することには熱心でも、当の外国における文学者もまた自らにとっての外国文学に惹かれてきたという端的な事実を捨象する傾向にあった。 メタファーはなぜ殺される―現代批評講義 作者: 巽孝之 出版社/…
以上の相互誤解を抱えた論争ではあったけれども、けっきょく明白になったのは、第一に双方ともテクストは間テクスト性を前提とし、テクスト内にすでに自己脱構築的契機を含むと考える次元では共通しながらも、こうした自己脱構築性をミラーが「すべての傑作…
野坂昭如&CKBメドレー青山246深夜族の夜HD マリリン・モンロー・ノーリターン 終末のタンゴ+後説 波に乗っているときは、万事があらえっさっさと順調だったが、もうその頃のことはだれも覚えていないだろう。いつの間にやら2015年などという信じがたい年…
五木の子守唄 山口淑子(李香蘭) - YouTube うちは貧乏な家庭だったから(今でも貧乏だけれど)、世が世なら(追記:時代が30年くらい違っていれば)、ぼくも小学校を終わったくらいで奉公に出されていたんだよな。これは仮定の話だけど、実感もないわけ…
Joseph Spence : Santa Claus is Coming to Town ... 明日から頑張ろう、と思わせてくれる音楽より、勤労意欲が減退していくような音楽が聴きたい…などととつねづね思うけど、だからと言って、これは胸を張って公言するような事でもないのはその通り。 床屋…
理屈では割りきれない何か根の深い原因のため、人は初対面からうまが合ったり合わなかったりする。 煉獄のなかで 上巻 (新潮文庫 ソ 2-4) 作者: アレクサンドル・ソルジェニーツィン,木村浩,松永緑彌 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1972/06/25 メディア: …
Mrs Durbeyfield habitually spoke the dialect; her daughter, who had passed the Sixth Standard in the National School under a London-trained mistress, spoke two languages; the dialect at home, more or less; ordinary English abroad and to pe…
文章をたくさん書くには、特別な性格も、特別な遺伝子も、特別な動機づけもいらない。そもそも、書きたいと思う必要すらない。デッドラインの設定されていない苦手な作業に着手しようと思う人などめったにいないのだから、書きたいという気持ちになるまで待…
執筆計画を立てることで、人生や暮らしにバランスがもたらされる。といっても、疑似科学というかニューエイジ風の自己啓発のような奇妙な達成感の話ではなく、仕事と遊びを分けるというような意味でのバランスの話だ。 できる研究者の論文生産術 どうすれば…
僕の場合、よい本を書いてきた研究者の面々と出会ったことが、本を書こうと思ったきっかけだった。「本を書くって、もしかしたら楽しいことなのかもしれない」と思ったのである。僕は、学部生のときは、デュヴァルの所にいたのだが、彼の本を読んだその足で…
たいていの人は、気の向いたときに一気に執筆する「一気書き」(binge writing)という無駄で非生産的な方法をとる。書くのを先延ばしにして不安にかられ、ようやくやってきた土曜を執筆だけに費やしたりする。それでも、文章はある程度書ける。焦燥感も解消…