俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

京都の恋~「銀の時代」とは一九世紀末のロシアの文芸思潮

ヴャチェスラフ・イワーノフは一九〇三年に外国から帰り、『導きの星』、つぎに『透明』と『悩める神のギリシア宗教』といったエッセーを出したが、彼はその年齢にもかかわらず、若いシンボリストたちの確乎とした支柱だった。彼はブロークやベールイとは異…

I say a little prayer~いまだにgo get some waterは落ち着かない

イギリス英語とアメリカ英語の間には文法的な違いも見られる。第4章で触れたが、アメリカ英語では疑問文・否定文を用いる際、Do you have any money? I don't have any money.のように助動詞doを用いるが、イギリス英語では、本動詞がhaveである場合 、Have…

アルフィーのテーマ~want forは「~が欠けている」の意

興味深いことに、北欧語からdieという動詞を借用した結果、古英語で「死ぬ」を意味したsteorfanの意味は限定され、現代英語のstarveとなった、wantは古ノルド語のvanta(欠いている)に倣い、最初は「欠く、持たない」を意味し、現在のように「欲する」の意…

亜米利加の朝御飯~あのときエスペラント勉強会をやらなかったのは僥倖か

1962年、まだ外国旅行が珍しい頃に、小林はヨーロッパの8か国を1か月半 エスペラントだけを使って歩きました。1974年にはポーランド、チェコスロヴァキア、ハンガリーなど東欧を、その後はスイス、英国、オーストリア、スペイン、フランスを旅行し、いつも…

Walk Don't Run~「ゆっくり急げ」とギリシア語で言う

ここで別のギリシア語を見てみましょう。 ΣΠΕΥΔΕ ΒΡΑΔΕΟΣ 最初の二文字はもうお分かりですね。続くΕΥは、単独ではそれぞれ[エ]、[ユ]という音ですが、二つ並ぶと、[エウ]になります。次の ΔはDに当たります。全部で[スペウデ]、急げという意味です。…

岬でまつわ~「ゆっくり急げ」という古い格言

まず、次の文をご覧ください。どのように読んだらよいでしょう。 Festina lente! 最初のfestinaは「急ぎなさい」、次のlenteは「ゆっくりと」という意味の語です。あわせて「ゆっくり急げ」ということです。ラテン語の格言で最も有名なもののひとつです。た…

You've Got To Have Freedom~英語は自動車の運転免許ぐらいふつうの技能になるのか

bête noire ▶noun(pl. bêtes noires pronunc. same) a person or thing that one particularly dislikes: seriatim ▶adverb «formal» taking one subject after another in regular order:point by point: foist ▶verb (foiist someone/thing on)impose an …

1987年のポキチ・ペキチ・パキチ

私はかつて留学と国際機関勤務で米国に5年滞在しましたので、米国好きの部類に入ると思います。それでも、やはり今のネットを巡る米国支配という状況は、好ましくないし健全でもないと思います。 ネット帝国主義と日本の敗北―搾取されるカネと文化 (幻冬舎新…

旅の宿

旅の宿 吉田拓郎 田舎だから、ご近所のおばさん方の顔を見たら「こんにちは」と言うようにしよう。これは励行していて悪いことは一つもない。 このところ、散歩を日課にしている。少し歩いたくらいじゃ効き目はないのかもしれないが、いきなり長い距離を走っ…

My Little Crying~ ちっぽけな悲しみは胸にしまうこと

ZELDA my little crying 気がゆるんでひとりよがりになっているかもしれない。 ハッと気づいたのは、むかし一緒に学んだ女子学生のことを突然思い出したから。別々の大学から来て、たまたま大学院を一緒に受けたけれど、ぼくは受かり、彼女は入れなかった。…

カサブランカ・ムーン

This is not an autobiography nor is it a book of recollections. In one way and another I have used in my writings whatever happened to me in the course of my life. Sometimes an experience I have had has served as a theme and I have invente…

ほんとうの、本物の夏休みへ向けて

日露戦争が終わってから一〇年くらいして、第一次世界大戦が起きます。おもにヨーロッパが戦場だったのですが、ドイツもフランスもロシアもイギリスも、戦争を始めたらすぐ片がつくと思って始めた。しかし、じっさいは戦争の内容が変わってしまって、勇敢さ…

あー夏休み~なんか落ち着かない今年の暑中休暇

小説の衰退と反比例するかのようにノンフィクションが盛んになっているようですが、そのかなりの部分は、いわば娯楽小説の代替品としての役割をになっているかに見えます。そういう役割のものもむろんあって良いし、その存在を非難すべきではないでしょう。…

愛のきずな

歴史に「もしも」はないとされるが、もしも、ニコライ二世が絶対専制に固執せず、漸進的な緩やかな改革を受け入れていたとしたら、ロシアの歴史は別のものになっていたに違いない。また、彼が血友病の遺伝子を宿した神秘主義者のドイツ人の皇女を見初めるこ…

Mikky D~むしろ床屋政談力を不断に鍛えるべきではということについて

佐高 […]昭和二年の金融恐慌のとき、最初に東京渡辺銀行が破綻した。破綻によって取り付け騒ぎが起きるのに備えて、大蔵省が緊急措置として二〇〇円札を発行した。しかし緊急性を優先したがために、表面だけ印刷をほどこし、裏面は真っ白だった。これがいわ…

二人でお酒を~英語ができるできないは人間のできとはあんまり関係がない、しかし

佐高 […] また話が飛ぶようで恐縮ですけれど、私の故郷は酒田市ですが、それと隣接する鶴岡を故郷に持つ石原莞爾[…]に決着をつけるために、『石原莞爾 その虚飾』[…]という本を書きました。そのなかで触れたのですが、石原は満州国にエスペラント語を採用し…

クラウド・ナイン

cloud nineとは「天にも昇る心地」のことで、「1950年代にラジオ番組'Yours truely, Johnny Dollar'でポピュラーになった;米気象庁が1つの雲を9タイプに分類した最上層部」とリーダーズにはある。 ところが、オンラインの辞書を引くとダンテ『神曲』…

恋心~明日も猛暑日の北海道で、もう冬のことを考えている

水あたりでおなかをこわし、物も食べられず、水分も余計に取れない、さんざんな一日。こんな日の北海道に限って34度もあったりする。 明日は猛暑日の予報で、もうそれを過ぎると28度、29度がせいぜいだろう。そうなると内地のみなさんには申し訳ないくらいさ…

Koko

「ビバップ」って言葉は擬音語で、「バップ」「ビバップ」、あるいは「リバップ」って呼ばれてたこともありました。で、こういった擬音語っていうのは、どの言語でも一緒ですが、基本的には相手を馬鹿にしているっていうか、揶揄する感じが強い言葉ですよね…

ダイヤモンド・ヘッド

ソソ(スターリン)は、早世した兄弟とは異なり、彼だけが生き残って母親の愛情を受ける者となった。精神病理学者のフロイトは、母親の極度の愛情を受けて育った人間は、生涯にわたり征服者の感覚、つまりしばしば本当の成功に導く自己の運命への確信を持つ…

愛と誠~へらへらぼっちゃん

十六歳で歌手になろうと思い、十九歳でレコードデビューした、というと、一見、なかなか順調やないか、と思う人もあるかもしれぬが、そうではない、その後が悪かった。レコードがちっとも売れぬのである。通常であれば、その時点から下積み生活、旗を持って…

愛しのティナ

"I cannot understand why you should wish to leave this beautiful country and go back to the dry, gray place you call Kansas." "That is because you have no brains," answered the girl. "No matter how dreary and gray your homes are, we people…

ファッシネイション

[…] というものの、われわれの周りで、チェコ文学史または小史というものを手に入れるのは容易なことではない。それは日本語の問題であるばかりでなく、英仏語においても事情はあまり変わらない。イタリアを除外していいと思われるのは、この国にはアンジェ…

負債としての読書

「いや」ぼくは声に出して言った。今は『劇場物語』を読もう。誰がなんと言おうと、世の中で『劇場物語』が最高だ…… ぼくは本棚からブルガーコフの一巻ものを取り出すと、指でやさしくもてあそび、てのひらでスベスベした背表紙を撫であげた。もう何回目にな…

Green Fields~7月あたま、冬の寒さのことをすでに考えている

死んだようにといえば、帯広の冬場の「しばれ」は一様尋常ではなく、週一度の朝礼のときも、あちこちで、バタンバタンと音がした。体の弱い子供や粗末な靴下しか履いていない子供が寒さのために気絶するのである。私はといえば、ふと気が遠くなるときが何度…

これが鉄砲節だ~「不意にやってきた」研究業績は本当に偶然やってきたのか

かくてはならじと焦っていると、横浜国大の経済学部の助教授にならないかといわれ、環境が変われば新境地が開かれるかもしれないと切なく期待して、その申し出を受けた。そういう申し出が来たところをみると、お前は研究業績を挙げるべく努力していたのであ…