俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

早春賦

「ああ、アブサロム、アブサロム、父のわたしがお前に代わって死ねばよかったものを!」 聖書物語 (偕成社文庫 3033) 作者: 山室静 出版社/メーカー: 偕成社 発売日: 1977/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 2人 クリック: 6回 この商品を含むブロ…

Lover Man

[…] 「でもいざ町を出ようと思うと駄目なんです。わかりますか? 町というのが本当に死んでしまうのなら、その死ぬところをこの目で見ておきたいという気持ちの方が強いんですね」 「あなたはこの町の生まれですか?」 「そうです」と彼は言って、それっき…

Charlie M.

Cool Jazz - Art Ensemble of Chicago - Charlie M. 「木材工場はどうなったんですか?」 「人手が足りないからもっと便利な場所に移ったんだ。今でも小さな工場は幾つか町にあるけどたいしたもんじゃないよ。山で切られた木は町をすどおりして名寄か旭川に…

あれから

ヒロスケ / あれから トーマス・マンとドイツの時代 (中公新書) 作者: 小塩節 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1992/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 聖書のおはなし 作者: 小塩節,小塩トシ子,永田萠 出版社/メーカー: キリスト教…

内地へよろしく

内地へよろしく (河出文庫) 作者: 久生十蘭 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/07/04 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 久生十蘭「従軍日記」 (講談社文庫) 作者: 久生十蘭 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/08/10 メディア…

ノアノア気分

'’What was the subject?' I asked. 'I scarcely know. It was strange and fantastic. It was a vision of the beginnings of the world, the Garden of Eden, with Adam and Eve -que sais-je? it was a hymn to the beauty of the human form, male and f…

Virtual Insanity

The Moon and Sixpence (Dover Thrift Editions) 作者: W. Somerset Maugham 出版社/メーカー: Dover Publications 発売日: 2006/01/20 メディア: ペーパーバック 購入: 4人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (5件) を見る The Moon and Sixpence 作者: W…

塀までひとっとび

Sadistic Mika Band - 塀までひとっとび 灯油の配達が来るから、明日はポリ缶を出しておかなくては。先月は出しそびれて外出してしまって、燃料屋さん、ホームタンクのほうだけ満タンにして行った。勉強部屋と寝室のファンヒーターの分はポリ缶から給油する…

サンフラワー’76

ベンチャーズコピーバンド Sunflower'76 サンフラワー76 「検事はわれわれの同志たちを野蛮人だ、文化の敵だと呼びました……」 「その方たちの事件に関係のあることだけを申せばよい!」 「これは関係のあることです。誠実な人間に関係のないことは何一つあり…

We'll Be Together Again

歴史家にして哲学者でもあったトマス・カーライル[…]との付き合いは、ゲルツェンがドイツの雑誌に掲載した『向こう岸から』や『フランスとイタリアからの手紙』などを出張先のドイツで読んだカーライルが、それらの著書に強い関心を示し、ロンドンの妻に宛…

Lonely Tear Drops

ゲルツェンがイタリア語の勉強を始めたのは一八三四年八月、未決囚として収監されていた頃のことだった。彼が文法を一通り学び終えた後に読んだ最初の本は、当時ロシアでもポピュラーとなりつつあったペッリコの『獄中記』[…]であった。その後、流刑中にも…

Runaround Sue

若きゲルツェンはプルードンの『貧困の哲学』をヘーゲルの『精神現象学』と並んで、現代人にとって必読の書として挙げている。彼はいまだロシアにいるころより、プルードンから「資本主義」[…]が民衆を収奪する体系であること(財産は盗みである)、新しい…

語りつぐ愛に

一月は長い、と先月はぼやいていたけれど、二月になった途端、日の経つのを早く感ずるのは、俗に言う「二月逃げる」ということなのか。いつかの年の建国記念日、バフチンの訳本をむさぼり読んでいた記憶がいまだに強烈なんだけれど、あの時、路面の雪は解け…

マイ・ピュア・レディ

もっとも、マルクスがチェルヌイシェフスキーの著作を読みたくてロシア語を学習した時、初等の文法を終えた彼が上級の読本として選んだのは、ゲルツェンの『過去と思索』の最初の部分[…]であったというから、両者はまんざら縁がなかったわけでもないという…

ブルー

渡辺 真知子・ブルー 一〇月革命はコミュニストにではなく、ベールイやブロークのような神秘主義者にインスピレーションを与えたのであり、彼らをとらえたのがイヴァーノフ=ラズームニクの生んだ「スキタイ人主義」の教義であった。かくして文学史家にとっ…

あの頃

いい大人の、モバゲー-【第1話】 同窓会篇 時間、というものの不思議さ。それは時間論と銘打った書物より、三浦雅士『私という現象』などによく描かれているのではないか。わたくしというこの自己同一性は三次元上の点であると同時に、絶えず推移しつつある…

かもめが翔んだ日

私が前に二年間ナイジェリアのイバタン市に滞在した時の欲求不満は、かつてこの人口百万といわれるアフリカ最大の原住民都市[…]に、喫茶店と古本屋が一軒もないことに集中していた。成る程イバタン大学内の書店は、英語の新本のストックは豊富である。しか…