俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ローリー・アンダーソン「オー・スーパーマン」

岡崎京子さんの『東京ガールズブラボー』を読み終えて、たくさんの80年代のアーティストたちの名を思い出しました。ほんっと、忘れてたーって名前もありますね。ローリー・アンダーソンもその一人。

80年代の初めに文化放送で『ミスDJリクエストパレード』(深夜1:00~3:00、月~金)という番組がありまして、さすがに毎晩とはいかないけれど僕も夢中になった口でして。選曲も、ベタなリクエスト曲ばっかりじゃなくて、けっこう先鋭的なものがプレイされたりしてました。で、あるときローリー・アンダーソン「オー・スーパーマン」がかかったんですね。あれは何曜日かなあ、川島なお美さんがDJだったんですが、川島さんご自身の選曲じゃないのは明らかでしたね。彼女曰く「何、この曲?この曲のどこが『オー・スーパーマン』なの?全然スーパーマンらしくないと思いません?」。アハハ、東京の女子大生って、ニュー・ウェーヴのことなんて全然知らないんだなあ、とみょーに感心。知った振りしてにわか仕込みの生半可な知識を語られるより、ある意味ずっと気持ちよかったですね。この、「とりつくろわない」「地が出る」という部分が、こういうラジオを熱心に聴く醍醐味でもありました。

今も活躍するらしいマルチメディア・アーティスト、ローリー・アンダーソンの「オー・スーパーマン」は1980年に英ポップチャートで二位を記録した曲。へえ、この曲がねえ…って、川島なお美さんじゃなくても、たしかに思わなくもないですね。「ア、ア、ア、ア」という声のループが特徴的な、現代音楽風でいて、どこかしらポップ、不思議な曲です。今ならこんな曲がチャートの二位に入るって、あるでしょうか。ほんと、80年代って、この曲みたいに不思議な時代でしたね。