俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

帯広の町よさようなら

具体例をもう一つ挙げると、「ディファレント(different)」のあとの前置詞は我々は「フロム(from)」と習ったけれど、アメリカのスピーチを聞いているとよく「 ディファレント ザン(different than)」と言うのですね。なんだか気持ち悪くて調べると文法…

夜霧のしのびあい

以前、フジテレビの番組で僕の隣に座っていた人が、TOEICで二十何回満点をとったというマニアの人でした。そういう方は、それが英語力だと思ってしまうんですね。 最強英語脳を作る (ベスト新書) 作者: 茂木健一郎 出版社/メーカー: ベストセラーズ 発売日: …

T Bone Blues

僕は高校一年のときに英語の原書を読み始めて、高校3年間で数十冊読んだと思います。明らかに高校英語の範囲は越えていて、わからない単語がたくさんある。全部辞書を引いていると時間が無くなってしまうから、「習うより慣れろ」しかなかった。とにかく、…

生活の柄

歴史家の営みのうち解釈については、絶対的に正しい解釈は存在しないことで、すでに大方の歴史家の意見はまとまっています。ですから、ソシュールの診断が問題になるのは認識の次元です。彼の所説にしたがうと、どんなにちゃんとした資料論にもとづき、どん…

青春のいじわる

七月のはじめ、札幌へ行った。 研究報告(のようなもの)を終えてあとは帰るだけとほっとしていたのだけれど、お誘いを受けて懇親会の最初のほうにも顔を出した。 懇親会の店まではすぐそこだったけれど、ちょうどその時間、どしゃ降りになってしまって。ぼく…

わからない単語は引くべきか

読み進めるうえで、当然、わからない単語が出てくると思います。その時覚えておいていただきたいのが、「わからない単語の8割は、最初の20%のページに登場する」ということ。 最初の10%のページはわからない単語をしらみつぶしに調べるようにしてくだ…

宮沢喜一の英語インタビュー

伊藤[博文]の一般的なイメージは、利害調整に長けた現実主義的な政治家としてのものだろう。吉田松陰が若き日の伊藤を「周旋家」と評したことは、よく知られている。長州でいえば高杉晋作や木戸孝允、薩摩でいえば西郷隆盛や大久保利通といった維新の第一世…

世情

ぼくには、同時代の一番優秀な奴は滅んだか、半ば廃人になったという印象が強い。[…] 思想としての全共闘世代 (ちくま新書) 作者: 小阪修平 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2006/08 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 35回 この商品を含むブログ (46…

Minnie The Moocher

「ミッキー・マウシング」が「ミッキー・マウス」から生まれた言葉、すなわち「ミッキー・マウスすること」であるのは説明するまでもないだろう。冒頭でふれたとおり、アニメーション映画にあってはミッキー・マウスとともに映像と音の完全な同期が実現され…

逢わずに愛して

以前、同僚と雑談をしているとき、自分の蔵書の三分の一くらい読んでいる学者は立派な学者だという話を聞いた。もちろん、残りの三分の二が無駄だということではない。いつか必要になりそうな本を(おそらく必要以上に)確保しておこうとするのが学者の習性…

三島由紀夫VS東大全共闘

凡庸な攘夷論者であった坂本龍馬は、開国論者である幕臣勝海舟を斬り殺すために、勝の家を訪れたことがありました。そのとき、勝は竜馬を座敷に上げて、「お前さんたちのようなのが毎日来るよ。まあ、話を聴くがいいぜ」と、世界情勢について長広舌をふるい…

男と女

SF作家として知られるH・G・ウェルズとの出会いのエピソードが面白い。ロンドン滞在中の新渡戸が「東洋の進歩」と題するウェルズの講演を聴きにいったとき、彼は講演に先だってウェルズに紹介され名刺を差し出す。だが、ウェルズは受け取った名刺をすぐ…

Michel Legrand Meets Miles Davis

「こういう半端な知識人がいちばんの困りものだ」と有吉佐和子さんは書きます。そんな理屈で子供や孫や子孫の未来を奪っていいのかと。これはまさに男の意見なのだと。しかもこういうことを言っている男にかぎって、じつは幸せな結婚をして、子供も作る。そ…

10 Years After

No one can think a thought for me in the way no one can don my hat for me.(Wittgenstein) 6年前に再会したきりの恩人が数年前に亡くなっていたという話をきのう書いたけれど、その6年前という記憶が間違いないかどうか、一応メモを出して読みなおしてい…

If I should lose you

その人にばったり再会したのは、6年前の秋だった。夏のあいだたまに行くイオンでお見かけして、声をかけた。 二十数年前、塾でバイトするきっかけを作ってくれた人。ぼくよりふたつ、いや三つ上か。お付き合いの広いひとだったし、ぼくも一年バイトに通った…

子供盆おどり歌

これはあまりに消極的に見えるかもしれない。しかしながら、オークショットは友情を例に、人間と人間の関係には変化を追い求めない領域があることを示す。人は友人に何を求めるだろうか。その友を自分の思うように変えることだろうか。オークショットはむし…

盆帰り

ナチス・ドイツ関連の本を読んだことのある人ならば、生存圏(レーベンスラウム)という言葉を目にしたことがあるはずだ。これも地政学の考え方で、国家が自給自足を行うために必要な政治的支配の及ぶ領土のことをいう。ナチス・ドイツの侵略行為の理論的支…

Bon odori -Obon festival dance

詩を含む、あらゆる文化活動は、近隣諸国で他の言語によって達成された成果を反映するものである。「ヨーロッパの国々が互いに切り離された状態に陥り、詩人たちが、自国語で書かれた文学以外の文学をもはや読まなくなっていたりしますと、詩は多くの国にお…

シーサイド慕情

中学校の英語の教科書で使われている単語数はきわめて限られている。ところが、高校に行くと、英文解釈の教科書に出てくる単語数が急増する。大学入試に出る英文の語彙は、それとはまた少し傾向が違っていて、それがまたわからないものだらけである。大学に…

打ち上げ花火

英語の勉強法を尋ねてくる人は、何か魔法のようなテクニックか、そうでなければ特殊な教育システムや教材があるはずだとでも思っているかもしれない。 もちろん私も、その人の目的によっては、それに適した教材や辞書を推薦することもある。とはいえ、それら…

夏祭り

最近重要性を増している「大きな物語」としては、民族のほかにも、たとえば「大衆」にかかわる史実の歴史があげられます。具体的には、大衆社会、大衆教育、大衆文化などです。 では、大衆とは誰のことでしょうか。大衆という存在がはじめて問題にされたのは…

あー夏休み

受験英語で育ってきた私自身は、会社勤めをしていたころから、英語の語彙の豊富さにおいては人後に落ちないという自負を持ってきた。実際、海外営業の仕事をしていた当時、私がアテンド(attend 随行)したアメリカ人のお客様からこう言われたことがある。 …

夏休み

日本国内で英語を勉強するのに、試験で良い成績をとったり、資格を取ることを目標にして励むのは決して悪いことではない。 私もこの年になると(というほど年をとったわけでもないけれども)、いまさら試験などで選別されたいとは思わないが、かつては英語の…

あたいの夏休み

歴史学は、一つの科学です。そして、科学であれば事実を明らかにしなければならないし、明らかにできるはずですから、歴史学も史実を明らかにするための作法を備えているはずです。その作法に則って歴史家が書いた本を「歴史書」と呼ぶことにしましょう。 歴…

大人はわかってくれない

NOTE ON USAGE: In British English quite can have different meanings partly depending on the intonation of the sentence. 1 If quite carries the main stress when used with gradable words(ie those describing qualities which can be of differen…

シルキー・ソウル

「過去に対する想像力」という言葉はあまり使う人がいません。というか、多くの人はきっぱりと「歴史に『もしも』はない」と言い切ります。僕はそれに留保を求めたい。「歴史に『もしも』はない」と言う人たちは、今ここに存在する現実はすべてひとしなみに…

もう逢えないかもしれない

You'd betterを辞書で調べると、「~したほうがいい」という意味が載っています。日本語の「したほうがいい」は、どちらかというとフレンドリーなアドバイスという感じですが、英語のYou'd betterは「~したほうがいい。そうしないと……後はわかるね?」とい…

天使のウインク

最初はまずオスカー・ワイルドということにでもしようか。名だたるあの世紀末唯美主義者のワイルドとアナーキズムといえば、一見食い合わせにも似た違和感を感じさせるかもしれぬが、事実は決して然らず、案外に近い親和関係があったのである。つまり理由は…

マドンナの真実

A I like to read books. B I like reading books. 上の2つの文を比較して、 意味の違いを考えてみましょう。 やり直し教養講座 英文法、ネイティブが教えるとこうなります (NHK出版新書 346) 作者: デイビッド・セイン,森田修 出版社/メーカー: NHK出版…

Summertime

Albert Ayler - My Name is Albert Ayler - 04 - Summer Time 30度。湿気。なんにも言わずにこれ、聴いていたい。今週を過ぎたら、北海道にゃ、ほんとうに暑い日なんか、一体何日あるだろうか。 語学検定のたぐいは、最近は受けておらず、また受けに行って…