My Little Crying~ ちっぽけな悲しみは胸にしまうこと
気がゆるんでひとりよがりになっているかもしれない。
ハッと気づいたのは、むかし一緒に学んだ女子学生のことを突然思い出したから。別々の大学から来て、たまたま大学院を一緒に受けたけれど、ぼくは受かり、彼女は入れなかった。研究生として一年頑張ったけれど、それでもあんなに入りたがって努力していた修士課程に進めなかった。
その後、その子は病気で亡くなった。どんなにか、無念だったろう。
彼女の無念さを思えば、甘ったれた愚痴なんか口にする資格は、自分にはない。ぼくがたまたま大学院に入れたのは、たくさんの人びとの理解と、ちょっとの偶然ががあればこそだ。こんなことも自分はわからなくなっているのか。
一から出直しぐらいのつもりで。