横道坊主「夏の日の少年」
さだまさしさんの次のエントリーが横道坊主。偶然ですが、これ、長崎つながりですね。
1994年2月のシングル。僕、まだ大学院生でした。寮の自室でFMをつけっぱなしにしてると、これがよく流れてました。男くさいヴォーカルにタイトなビート、そしてチャラチャラしてない歌詞。気合の入ったバンドだなあ、とずっと記憶に残っています。
歌詞は、夏休みの終わりの少年の心象風景を歌ったもの。舞台は、坂道の多い長崎のどこか、なんでしょうね。日曜日の公園にはカップルや子供。そして上空を爆音を上げて飛び去ってゆくジェット機。決して、何かを声高に主張する詞ではないんですが、色彩がくっきりした、いい詞です。締めくくりの次の一節が、実に鮮烈。
ガードレール叩きながら 足踏みする信号機
待ち遠しい 月に一度の父親が帰ってくる夜
家を遠く離れて働く父が月に一度帰ってくる、その夜。それを「待ち遠しい」と言い表すことのできるロックの詞って、滅多にあるもんじゃありません。初めて聴いたときから、なんともいえない懐かしさと切なさのある、ほんとにいい曲です。今聴いても全然古くないしね。田舎の貧家に生まれた少年の寂しさを歌わずして何がロックンロールだあ、なんて興奮したりして。
横道坊主、結成25周年、だそうです。応援してます。