俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

2015-01-01から1年間の記事一覧

Stardust

いうまでもなく、真剣に遊んでいる子供は子供っぽくなく、遊びに飽きた子供が子供っぽいのだ。 学者 この喜劇的なるもの 作者: 西部邁 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 1989/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 片付けそびれて、本棚に…

Russian English Speaking Girl

当時のわたしは充分に傲慢であって、文学の勉強などは自分で書物を読んでいればひとりでに出来るものだと、高を括っていたのである。加えてわたしは、選択する言語によって文学が分断されてしまうという大学の制度を理解できないでいた。どうしてボードレー…

How and why we read

Connie went slowly to home to Wragby. 'Home!'... it was a warm word to use for that great, weary warren. But then it was a word that had its day. It was somehow cancelled for her generation: love, joy, happiness, home, mother, father, husb…

みんな夢でありました

研究の独創性、みたいなことって、理系・文系を問わず、あると思うんだ。 客観性、というのはたしかにあるから、だれがやっても同じ結論になる、同じ結果が出る、というんじゃなければ科学的じゃない、というのはその通りなんだけどさ。でも、客観性すら暫定…

横浜いれぶん

社会性、ということについて。 自分はまじめにやってるんだけど、いい気になっている、とか不真面目だ、とか顰蹙を買うことがよくありましたね。それが、わからない。つまり、何をどうすれば、控えめで温厚な人柄、などという評価が得られるのか、結局、わか…

どうしてこんなに悲しいんだろう

The real world was far away, far away where there are palm trees and birch firewood. It was almost beyond imagination. From there arrived once, in a grey suit and with large sitcases, the pale-haired Wells and his son. It was still fall. T…

Modern Lesson

These black cats were discussed in his lectures and he wrote about them in the tragedy Vladimir Mayakovsky. Their meaning is the following: electricity can be obtained from a cat. The Egyptians did it that way. But it is more efficient to …

タイタニック号の沈没

ギャヴィン・ブライヤーズ:タイタニック号の沈没 アーティスト: Gavin Bryars and Gavin Bryars Ensemble 出版社/メーカー: Universal Music LLC 発売日: 2012/10/31 メディア: MP3 ダウンロード この商品を含むブログを見る 負け惜しみのようにとられると…

時代はあなたに委ねてる

年が明けた二月、彼女は消えた。ゲーム・センターはきれいに取り壊され、翌月にはそれはオールナイト営業のドーナツ・ショップにかわっていた。カーテン生地のようなもようの制服を着た女の子がぱさぱさしたドーナツを同じもようの皿にのせて運んでくるよう…

花の色

僕たちは名刺を交換してからウェイトレスにコーヒーを注文した。彼は本当に大学の講師だったので僕はひどく驚いた。年は三十を幾つか出たあたり、髪はすでに薄くなりはじめていたが体は日焼けして頑丈そうだった。 「大学でスペイン語を教えています。」と彼…

アラバマに星落ちて

自立。そうだ自立しなければならない。 そう思って、誰にも相談せず、ひとりで選んで、冬用のジャケットを通販で買ってみたのですよ。今日着いて、代金引き換えでひきとり、けっこういいものが買えたな、ただ、袖の長さはお直し屋さんに頼んで少しつめなきゃ…

キャバレー

私は文学、音楽、その他の諸芸術、哲学的議論、等々の古典とはわれわれを「読む」表現形式の謂であると定義づける。われわれがそれを読む(聞く、感じる)よりも、それがわれわれを読む。この定義に曖昧性はおろか、逆説的なものは何もない。取り組むたびに…

旅の夜風

三角兵舎の人々をわたしは敬愛していた。しかし、わたしがかれらから完全な仲間として取り扱われていた、とは言い得ない。大学を出たという「肩書」、わたしのもつ「哲学青年」的要素は、彼らに何かピッタリしないものを感じさせたのであろう。どうもやむを…

見張り塔からずっと

帯広の冬の朝、ならび立つ雪の山々が朝日に紫色に映えているのは美しかった。帯広も寒いところだった。旭川よりも寒いようにわたしは感じた。とくに風がきつかった。陸軍始の日、部隊長が勅諭を読む間に幾人か倒れた。わたしは感覚を失った。靴は大地にくっ…

starless

King Crimson - Starless - YouTube 人の労力や時間や神経は消耗品ではない。いつでも自由にあごで使えるヒマな人というのは存在せず、どんな人にも常にその人じしんの都合・予定・心積もりがあることを忘れるべきではない。他人の都合は今こうしているあい…

Dark Eyes

ワグナーに心酔していたニーチェが、ビゼーの『カルメン』を聴いて、にわかにワグナー攻撃へと転じ、「快活な知性」Gaya Scienzaの守護者として生まれ変わったことは知られている。ゲルマン民族のしかつめらしさは、陰鬱なだけではなく、やましさと、うらみ…

Love Is Here To Stay

その後、Iは北海道で、成人のための遊興施設──つまりナイトクラブのマネージャーをしていたことがある。社会からはみ出していたい、昼よりは夜、光よりは闇を選びたいとする彼の性向と、生来の社交性があいまって、彼の職業人としての評価は非常に高かったと…

Lady Violetta

PRISM 森園勝敏 Lady Violetta - YouTube 四人囃子、PRISM、…この辺の音楽を、いま無性に聴きたい。 四人囃子といえば、日本を代表するプログレッシヴ・ロック・バンド。しかし、森園勝敏さんの、フュージョンと見まがうほどのギターさばきはあまりに流麗過…

ブンとフン

メモ代わりに。 昨日のNHK-FM『今日は一日ラジオドラマ三昧』、結局最後まで聴きました。井上ひさし作「ブンとフン」には心底驚いた。小説家ブンが書いた原稿の中から女泥棒のフンが抜け出して作者=創造主に反逆するというフランケンシュタイン・モチーフが…

Smooth Jazz over 2 Hours

ぼくは綿密に居ずまいを正した末 きみに出会わないために 抵抗やあらゆる神秘の潜んでいそうな大地に とげとげしいクサビを撒き散らした その夜 やっとぼくは新しい地底で とぐろを巻くことを忘れて眠ることができた ぼくは何度目かのきみの死を償うことが出…

Alpha

入学式の朝、式を終えた私たちは教室に誘導され、真新しい名札の貼られた席に着席した。今でも、その時の情景はありありと脳裡に思い浮かべることができる。私はそのとき、頭に帽子をかぶったまま着席していたのだ。それに気づいた母が背後から、「真ちゃん…

Listening comprehension

ある調査によると、複数の大学卒のネイティブ・スピーカーにTOEICを受験させたところ得点分布は930~960点だったそうです。しかし、ネイティブ・スピーカーが今さらTOEICのようなテストを受けることに高いモチベーションを持つとは思えません。気乗りもせず…

Jazz Blues

Jazz blues - YouTube ジャズとブルーズを、厳格に分けないと気のすまない人って、今はそんなにいないでしょう。昔はいた気がする。 ヨーロッパのジャズ祭など行ったことないけれど、ブルーズ歌手が出演するって、わりと普通でしょ。目くじら立てる必要ない…

Some Cold Rainy Day

CURLEY WEAVER - Some Cold Rainy Day (1934 ... 高校のとき、勉強しないで輸入レコード店のカタログをながめていた時、これがよく載っていたような。当地も今日は秋雨が降り続き、肌寒い一日。 ところでね、ブルーズって、音楽としてはあんがい入門しづらい…

狂い咲きフライデイナイト

タモリ 狂い咲きフライデイナイト - YouTube タモリさんの生真面目さがなんとなくうれしい、この一曲。桑田圭祐昨詞作曲。今朝起きて、何か土曜のような気がしていたんですが、まだ金曜なんだね。

枯葉

十一月四日 戦地から弟が来た。法学士で今は重砲兵の少尉である。そしてこんな話をした── 「どうだ、リガ市の退却のときにはひどい目に逢ったろう」 「エエひどかったけれど、それはたいしたことではありません。われわれはよく退却したことがありますが、兄…

帰れソレントへ

ボクが国会議事堂の近くで英語講師をしていた時、「知らない英単語があったら、辞書を引いて意味を確認してください」と言ったら、生徒だったエリートサラリーマンたちはこんなことを言っていた。 「自分は速読力をつけるために、一度、目を通したセンテンス…

京都の大学生

もう切り替えないと。 あと処理のメールのやり取りをしてると、まだあの数日が続いているみたいですが、そこに案の定官僚主義の壁が立ってて、ぶつかってさみしい思いをするんだな。だからもう切り替えないと。 ひさびさにCNN観てたら、アメリカの内政のニュ…

尼崎の夜空を見上げて

親にせがんでグローブを買ってもらって、うれしくて広場へかけてゆく。これで自分もまぜてもらえる。でも、ソフトボールをしているどのグループにも入れてもらえず、日が暮れるまで立ちつくし、泣いて帰ってくる… 昨日ひさびさに、ふとそんな感覚を思い出し…

代書屋

当時の開拓地では、土地の払い下げなど、役場に申請する必要事項が多かった。しかし書類を自力で記入できる人はほとんどおらず、多くの役場では、隣接して代書屋が開業していた。一九九〇年代になってさえ、こうした代書屋が残っていたのを記憶している読者…