俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

2015-01-01から1年間の記事一覧

リンゴの歌

「大戦争の真直中にいるのに、この戦争のことを書かずにいることは、絶対に不可能だ」と批評家のシクロフスキイは表現した。かつてドストエフスキイは一七五五年のリスボンの大地震のあとで鶯の甘いさえずりを詩に書くような厚かましさはだれにももてなかっ…

ともしび

戦後、大学生のぼくは北海道で貧乏弁護士をしていたおやじを二度訪ねた。室蘭と浦河である。室蘭行きのときは連絡船に乗るまえに、DDTで真っ白にされた。襟裳岬から帯広に回った二度目の帰りは大型船(興安丸?)で横浜まできた。おやじは晩年には網走に…

最後の英語やり直し

また、いくら「現代の本物の英語」を選べといっても、最初からCNNニュースの早口の英語を聞き取るのは、一般には難しすぎるでしょう。自慢じゃないですが、私だってかなり厳しいです。もし、身の回りでCNNのニュースがわかると言っている人がいれば、…

Hardcover or paperback

テーマが上達法なのに、適性論に逃げている。正直な話、上達法を会得していないからだ。外国語習得は時間がかかる。早道はない。損が多く、益は少ない。犠牲とするものは数知れない。時間を取られ、新聞・雑誌も本も目が通せず、ついに将棋も碁も覚えない。…

You Did It

Roland Kirk - You Did It (Live - 1965) - YouTube 確かむかし、タモリさんがフルートを吹きながら五木寛之の悪口を言うとか、そんなことやってませんでしたっけ。それに対し、同じ早稲田大学出身の平岡正明さんが、五木攻撃はもうやめよう、と著書で呼びか…

サッちゃん

サッちゃん - YouTube こないだ老母と料理を作りながら、「今度のクリスマスもこれでじゅうぶんだね」って話したんだ。でも、今日になると、何を作っていた時のことか、思い出せなくてさ。大売出しで買ってきたソーセージを茹でていた時のことかなあ。 コン…

カール・ポランニーの経済学入門

機械使用のための決定的条件は、社会の自然的実在と人間的実在、つまり自然と労働を商品に転化し、これらの生産要素を市場で購入できる商品に「転換」させることである。また、社会構成員の行動動機が生存動機から利得動機に変化すること、さらに、あらゆる…

ネコジャラ市の十一人

The whole order of the universe was enshrouded in darkness, and thus, the word "temnyi"(dark) was very important in Blok's early poetry. Everything around him seemed dark: "dark fence," "dark gates," "dark steps," "a dark threshold," "a da…

Everyday I Write The Book

いつか是非、出さんと思う本のこと、 表紙のことなど、 妻に語れる 悲しき玩具 作者: 石川啄木 発売日: 2012/09/27 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫) 作者: 石川啄木,金田一京助 出版社/メーカ…

Andy Warhol Documentary Film

もうひとつの理由は、作者の「わたし」によって文学作品を解釈する批評にたいしてバルトがずっと批判的だったからである。文学とは作者の「わたし」を語るものではないと考える彼は「わたし」と書くことからは遠いところに位置していた。五〇歳を過ぎたころ…

How Mighty Is The Pen

Writing for Peace: How Mighty is the Pen? | Journal ... ベラルーシは独立後も社会主義的な制度の多くを保存し、国民の多くがそのような政策を支持している。ヨーロッパ最後の独裁者とも揶揄されるルカシェンコ大統領は、ソ連への強いノスタルジーを公言…

タレント・ロボット

「気をつけろったって、これより気の付けようはありません。悪いことをしなけりゃ好いんでしょう」 赤シャツはホヽヽヽと笑った。別段おれは笑われるような事を云った覚えはない。今日只今に至るまでこれでいいと固く信じて居る。考えて見ると世間の大部分の…

Cissy Strut

外出、お焼きを三つ買って帰る。ATMで少しおろす。 いつもNPRを聴いて寝るんですが、こちらの晩の9時~11時ごろって、アメリカでは朝なんでしょう。インタビューやニュースの合間に、ミーターズの「シシー・ストラット」が流れて、とても懐かしいよ…

風のエンジェル

ポカリスェットCM マーゴ・ヘミングウェイ - YouTube こないだ通販で冬用のジャケットを買ったら思ったよりよくないものが届いた話は書いたんですが、その後、お直しの店で袖丈を直すのに3600円もとられました。 でも、そんなにひどい品質なのかなあ。老…

As

父親のいない生活は、少年ロランの感性と思考に大きな影響をあたえた。一歳にもならずに父を失ったために、彼自身に父の記憶はまったくなかった。しかも、バイヨンヌの生活のなかで父の姿が美化されて語られることもなかった。思い出話の中に登場することさ…

エピタフ

ザ・ピーナッツ 「エピタフ」 (キング・クリムゾンカバー) - YouTube 東京の中心は皇居であり、そこには誰も入ることができない。フランスでは町の中心は教会であり、人びとが集まってくる濃密な中心である。東京では中心が空虚になっているではないか、と…

おいしい水

文学者という言葉があり、それは狭義では文学研究者とは違う意味をもつけれど、文学の論文を書いている人のことを大ざっぱに文学者と呼ぶことはあるし、場合によっては、文学研究者でありながらまぎれもない文学者であるような人も、いないことはないですね…

My Big Fat Greek Wedding

[…]だがここで今までの問題を、乱暴なやり方だが、単純化してみよう。すると次のような問いが生まれる。われわれが神話を考えているのか、あるいは神話がわれわれを考えているのか。 神話・寓意・徴候 作者: カルロ・ギンズブルグ,竹山博英 出版社/メーカ…

われら青春

当時のわたしは、記号学という「科学」に自分を同化させることができないかと熱心に考えていました。わたしは、科学性という(幸福な)夢を見ていたのです[…] ロラン・バルト -言語を愛し恐れつづけた批評家 (中公新書) 作者: 石川美子 出版社/メーカー: 中…

パッシング・ラヴ

シュー・ピンセイ パッシング・ラブ - YouTube バルトが理解した「俳句」は、日本人の考える俳句とは異なっている。俳句がフランス語に訳されることによって変化してしまう点がすくなくないからである。そのひとつが、「わたし」の語であろう。フランス語で…

Ballade for Piano and Orchestra

観客はなかばしか芝居に入りこむべきではない。芝居で見せられていることを受け入れるのではなく、「認識する」ようにしなければならない。俳優は役になりきるのではなく、自分の役を告発することによって、その意識を生みだすべきである。観客は主人公に完…

Thick As A Brick

- JETHRO TULL: "THICK AS A BRICK" - FULL ... 今朝のピーター・バラカン氏の「ウィークエンド・サンシャイン」でローランド・カークの"You Did It, You Did It"のライヴ録音がかかって、「このCDも今は入手しづらいですが」と説明されていまし…

赤色エレジー

一九五三年に祖母ノエミが亡くなってからつづいていた遺産相続の問題も、二年をかけて、ようやく一九五五年春に解決した。手にした遺産で、バルトたちは住み慣れたセルヴァンドニ通りにアパルトマンを買うことができた。六階のアパルトマンと、その真上の屋…

世間知らず

世間知らず 忌野清志郎&2・3'S支部 - YouTube 君の世間知らずを治してあげよう、という人たちからは、なるべく遠いところにいたい。洒脱で洗練された、遊び上手なオトナになどなりたくない。ダンディズムというのも、ぼくにはどうもできそうもないし。…

Woman You're Driving Me Mad

Joe Sample / Woman You're Driving Me Mad ... クルセイダーズって、こないだピーター・バラカン氏が「ウィークエンド・サンシャイン」でかけていて、とてもよかった。 ああいう音楽が流行っていた時、ぼくは『ミュージック・マガジン』の強い影響下に…

Cold As Ice

菅季治[かん・すえはる]が死をとげたちょうどそのころ、私は北海道東部の小さな炭鉱の労務課員として働きながら、落魄の思いで日々を送っていた。 一九四五(昭和二〇 )年、日本が無条件降伏の声明を出した八月一五日以降も、樺太では、北緯五〇度の国境…

イミテーション・ゴールド

Nothing is more boring or more unfair to the author than starting to read, say, Madame Bovary, with the preconceived notion that it is a denunciation of the bourgeosie. We should always remember that the work of art is invariably the creat…

赤とんぼ

letup n reduction in strength, intensity, etc; relaxation of efforts: There is no sign of let-up in the hijack crisis. Oxford Advanced Learner’s Dictionary, 8th edition (Oxford Advanced Learner's Dictionary) 出版社/メーカー: Oxford Univers…

シ・ネ・マ

ぼくはスポーツがまったくダメなんですが、スポーツが好きという人は世の中に多いから、あまり人前で「スポーツが嫌いだ」と公言したりはしないようにしています。そんなことをしたらスポーツをやる人、見て楽しむ人に失礼なのはわかりますから。 ところがこ…

最後の夜汽車

ineffable adj(fml) too great to be described in words: ineffable joy,beauty, etc. Oxford Advanced Learner’s Dictionary, 8th edition (Oxford Advanced Learner's Dictionary) 出版社/メーカー: Oxford University Press 発売日: 2013/11/25 メディア…