府中捕物控~星くず語学徒冬学期五日目
私がことばを語っているときにことばを語っているのは、厳密に言えば、「私」そのものではありません。それは、私が習得した言語規則であり、私が身につけた語彙であり、私が聴き慣れた言い回しであり、私がさきほど読んだ本の一部です。
*1" src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/41XEPVMR1ML._SL160_.jpg" alt="寝ながら学べる構造主義 *2" />
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/06/20
- メディア: 新書
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用心していても、何かの拍子に俗悪な決まり文句を言ってしまうのは人の常で、ある意味どうしようもない面があるのだが、上の論理に徹するなら、ありとあらゆることばの使用は、私がことばを話しているのではなくことばが私を話しているということになる。うん、構造主義ってそういうもんだよな。ことばにあっては、その独創的な使い方すら、私の創意になるというより、ことばが私を通り抜けたことを契機にたまたま生じた位置のズレかたがそうみえるだけのことなのだ。
今日、ラジオをつけたら、初めて聴く不思議な曲が流れていた。あの三億円強奪事件を唄ったもののようだが、曲が終わった後、話題がもう次に移っていったので、誰の何という曲かわからず、たまらずいろいろ検索をかけてこれを知る。ぼくはアルフィーの良きリスナーとは到底言えないが、この曲を繰りかえし聴いて、ああそうかそうか、そうだよなあ…とひとり納得した。一応貼っておく。三分三〇秒くらいからデビュー秘話になり、その流れで三枚目のシングルになるはずだったというこの曲を披露している。