俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

僕のエレカシ

2月24日、日曜日、NHK・FM『サウンド・ミュージアム』はエレファント・カシマシの特集でした。2時間40分の番組で、僕は途中から聴いたのですが、「最初から聴けばよかったな」とちょっと後悔しました。渡辺真理さんが司会で、4人のメンバーとトークを繰り広げていたのもさることながら、やっぱり曲がいいですね。この曲も、この曲も、いいな~CD買おうかな~と思うぐらい琴線に触れました。僕が持っていて散々聴いたのは89年の『浮世の夢』。当時、深夜のFM番組で有頂天のケラが「うつら うつら」をかけて「パンクなんだから、もう」とあきれていたのを思い出します。公認された「趣味のよさ」「クールさ」への公然たる反逆、それでいてふと顔をのぞかせる抒情と生真面目さ、これはほんとによく聴きました。入手したのは90年代に入ってからで、レンタル落ちで500円ぐらいで買ったはず。本当にいい買い物でした。同じ寮に住んでいたドイツ人留学生に聴かせたらすっかり気に入って「これは確かに感情を呼び起こす音楽だね。いい感情か悪い感情かは別として」と妙なほめ方をしていました。このドイツ人、街のCD屋さんに出かけて「エレファント・カシマシはありますか」とたずねて女の子の店員さんから「エレファント・カシマシぃ~?」といやな顔をされた、と話していたのを思い出します。「ヘンタイだと思われたネ」なんて言ってた。僕も若くて、金はないけど時間はたっぷりあった頃。春が来ると聴きたくなる名盤です。