俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

星降る街角


星降る街角 敏いとうとハッピー&ブルー

 高校を卒業して、もう何回目の春なのか。すぐに就職したやつ、専門学校へ行ったやつらは、早々にこうした、日本式ナイトライフのBGMに親しんでいっただろう。北海道の、地方都市のスナックのあちこちで、歌われていたはず。

 で、大学が内地だから、成人式に行かなかったのだよな。友人からの手紙で、式のあとの祝賀パーティーで地元のバンドがこれを演奏したことを知ったんだと思うけど、違っているかもしれない。写真が同封されていて、その友人の晴れやかで楽しそうな顔が強く印象に残った。スーツでなくてもよかったよ、と言うように、セーター姿で笑っていた。

 社会に出て働くというのは、ふつうの人にとってもかなりつらい。が、ふつうの人は、昼休みになって席を立つときには、自分の事務用品を片付けてから食堂に行くとか、人前であんまり陰鬱そうに振る舞わないほうがいいとか、正体をなくすほど人前で酒を飲まないとか、そういうことを知っている。そういうことを知っていれば、そうひどくひんしゅくを買うことはない。その点が、当方は全くダメだった。

 そういう意味で、いろんな感慨のある曲。一回だけ、女子社員の送別会で、この曲をデュエットさせられた。作り笑いの練習をいやというほどやったが、けっきょくダメだった、あのころ。