ニューオーリンズのWWOZ
いちいちCDを買っていてはお金がいくらあっても足りない、でも浴びるほど音楽を聴きたい…こういう気分を持て余しながら生きている僕にとって、インターネットで聴けるラジオはありがたい存在です。
ニューオーリンズのWWOZという音楽専門局は、あるときピーター・バラカン氏が『ミュージック・マガジン』誌で推奨していたステーション。検索するとすぐに見つかり、聴くことができました。
久しぶりにこのステーションを聴いたら今日はずっとマイルス・デイヴィスの『ビッチェス・ブリュー』が流れています。フュージョンの元祖、といったまとめ方をすると、どこか伝わらないものがあります。電化されたジャズの金字塔。マイルス御大が、スライ・ストーン、ジミ・ヘンドリックスといったアーティストが馬鹿売れするのを横目でにらみながら作り上げた、濃厚なファンク芸術です。
パソコンにつないだスピーカーから延々流れる切り裂くようなトランペット。CDも持っているのですが、通して聴いたことなかった…LPやCDで持っていてもよさがわからず、ラジオで流れてはじめてよさに気づく、そういう音楽ってあるのですよ。これもそう。今日はマイルスと討ち死に、と覚悟を決め、向き合って聴き入っています。