俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

つのだひろ「Mary Jane」

暮れてゆく秋の一日。今日は帰宅が遅かったんで、短く行きますね。

つのだひろさんの1972年のシングル。といってもその前年にまったく同じ音源が「Mary Jane on My MInd」のタイトルで、つのださんの所属していたバンド名義で出ていたといいます。

でも、昭和××年に爆発的ヒット、って記憶がありませんよね。当時僕は小学生でしたし、この曲のセールス自体、何年もかけてじわじわと枚数を売るという売れ方だったようです。

もうずっと後になって、80年代、普通の会社に勤めていたとき、みんなで飲みにいったんですね、スナックみたいなところに。そしたら有線からこれが流れてきて、おとなしい女の先輩が「うわあ、懐かしい…」ってつぶやいたんですね。水割りの酔いのせいか、その瞬間が鮮烈で、なんかその夜は妙に覚えてるなあ。

僕より数年年上だった人ですけど、70年代の少年少女には、これ、たまんないんでしょうね。女性コーラス、ストリングス、派手なタイコ、そして切々と訴えかけるひろさんのヴォーカル。僕も70年代には少年だったけど、田舎の中学生だった僕のもとにはこの音は届いてなかったですね。

あと何と言っても歌詞が英語なところ。少年少女たち、日本のロックも本格的だな、なんて思ったんじゃないですか。ネット上で確認すると、歌詞がどうにも文法的に割り切れないところがあったりして、作詞のクリストファー・リンて誰なのかな、なんて思ったりしますけど、まあいいや。もうスナックにも行かないし、水割りを飲むこともないけど、あのときの先輩の、感に堪えないという感じの表情を思い出します。秋の夜に思い出す、とおい昔話です。