俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

GO!GO!7188「キューティーハニー」

永井豪さん原作の人気アニメのあまりにも有名な主題歌。などと書いてますが、僕は子供の頃、そのチャンネルが入らない地域に住んでて、観たことがないんです。でも、曲はあちこちで耳にして、すっかりおなじみです。

GO!GO!7188って、初めて聴いたのは「浮舟」だったと思います。ああ、やっぱり椎名林檎さんの影響って、後に続く世代が良くも悪くも無視できないほど大きいんだなあ、と思ったのを憶えています。ラウドなギターにセクシーなベース、スコンスコンとジャストにたたくタイコ。何も言われずに聴かされたら、若い衆の音楽に疎いおじさんは「どうせ椎名なんとかの新曲だろ」と思い込んでしまうんじゃないのかな、と思うくらいでした。ただ、そこで終わらない独特のヒネリが効いていて、これ、どういうバンドだろう…と思いつつ、そのときはそのままになってしまいました。

iTunesStoreで買い物をするようになって、あるとき「キューティーハニー」というキーワードで検索をかけてみました。某歌手が持ち歌にしていて、コンサートで「ハニーフラッシュ!」と客席にマイクを向ける姿をTVで見てしまったんですね。かっこいい。ただその歌い手さんはiTunesStoreには楽曲を提供していないはず。で、かわりに見つかったのがGO!GO!7188のヴァージョンです。ああ、あの不思議な曲を歌ってた人たち。ん、一曲買って見るか。

以来、繰り返し再生して聴いています。曲の可愛さとかっこよさ、このバンドのスケールとほどよくつり合っています。これを収録したアルバム『虎の穴』は昭和歌謡とアニメソングのカバー集という、コンセプト自体はもはや珍しくもない、むしろ堅実すぎるほど堅実な作品です。「妖怪人間ベム」のインストから始まって「ひと夏の経験」「ペッパー警部」「バンバンバン」「君だけに愛を」などが収められていますが、そのなかでも、ポップ曲としての完成度が一番高いのがこれなんじゃないでしょうかね。

このごろ流行の女の子。お尻の小さな女の子。この詞のコンセプトが、茶髪にニット帽の、今風のサブカルでオルタナでブルージーでパンキーな女の子のイメージに合ってるように思います。ん?無理な形容を使ってますか。こういうのを例外とすれば、ロックってほとんど聴いてないので、的外れだったらごめんなさい。気合の入ったいい演奏と歌唱です。