俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

太田裕美「南風~South Wind~」

うわあ、懐かしい。1980年3月の新譜で、「9月の雨」以来のヒットとなったという「南風」。作詞・作曲をしたのは網倉一也さんという方。アレンジは萩田光雄さんですが、「雨だれ」の冬のイメージから一転して、夏を感じさせるウエストコースト・サウンド風のさわやかなポップロックです。キリンの清涼飲料のCMソングで、ほんと、柑橘系のすっきりした後味があります。

1980年の3月って、最初の大学にとにもかくにも合格した頃ですね。あのときには、僕にとっての80年代ってどんな時代になるのか、想像もつきませんでした。ただ、漠然と「大学に入ったらとりあえず4年間は何かできるかなあ…」と想像するだけ。受験に行ったとき、その街の古本屋さんでアンブローズ・ビアスの短編集と、ニーチェの著作の抜粋集みたいなものを買いました。合格したらこういうものを読みふける生活が待ってるんだろうな…などと考えていましたが、実は受けた学科は経済。僕は何か重大な勘違いをしていたようです。

TVではなにげないCMソングとして「On the Radio 天気予報 週末は晴れそうです」とこの曲が流れていました。太田裕美さんお得意の、男の子の視点から歌いかける詞の内容です。惜しげもなくさらした君の素肌の誘惑に、僕のすべてが変わるその一瞬。君は光のオレンジ・ギャル、ってどんなギャルなんだか具体的にはわからないんですが、笑顔の素敵な、健康的な女の子のことなんでしょうね。あの怒涛のような僕の80年代は、この曲で幕を開けたんだなあ…あれから何年経ったんでしょうか?28年!感慨深いです。オリコン最高位は22位、詞とメロディの明るさがいつまでも耳に残る佳曲です。