俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

C-C-B「ロマンティックが止まらない」

体育の日ですか。でもこの3連休は、うちらは休みなしのお仕事で、ようやくそれを終えて帰ってきたら、アマゾンから『青春歌年鑑80年代総集編』が届いていました。

もんた&ブラザーズダンシング・オールナイト」から幕を開けるこの二枚組、すでにCDで持っている曲とのダブりも相当あるのですが、思いきって買っちゃいました。決め手は2枚目のラストを飾るC-C-B「ロマンティックが止まらない」です。

ボクシングの内藤大介選手の出囃子として、いまではすっかり定着した曲です。80年代のクラシックと言っていいでしょう。ドラムの笠さんが生ドラムではなくリン・ドラムというのをたたいていたのが、当時はえらく新鮮でした。髪の毛の色も、常識ではありえない色で、僕の中の80年代のイメージの決定的な部分をこのバンドのこの曲がかたちづくっています。

せきたてるようなシンセのイントロ、甲高いヴォーカル、そしてこの詞とメロディ。ただの友達だとばかり思っていた気の合う女の子が、ある一線を踏み越えて近づいてくる一瞬。不意のくちづけ、友達の領域をはみ出して滑り込んでくるハイヒール。息が止まりそうな愛の急迫。「誰かRomantic とめてRomantic」。聴いてるだけで、ああ切ない、息が切れそうです。バンドものにしては良くできたポップチューン、と思ったら、今確認すると、詞は松本隆、曲は筒美京平です。さすが。

何年前か、NHKの『思い出のメロディ』という番組で、C-C-Bが登場し、この曲を演奏するのをひさびさに見たときは感動しました。オリジナルメンバーは何人いるのかわからなかったですが、力が入ってるというか、とにかく本気なんですね、彼らの演奏。NHKはとくにそういう番組のとき、時間をかけて入念に練習させるんでしょうけど、あれはすごかったな。

上に書いたように、内藤選手が曲を使うようになったのをきっかけに、また彼らが一緒に演奏する姿をTVでときどき観るようになりました。それで聴きたくなったから『青春歌年鑑』を買っちゃった、というところです。

80年代。長くて、そして切なかった僕の80年代。昭和崩御を機に、僕は二度と後ろを振り向くまいと心に決めて郷里を後にしました。今になって、たとえばC-C-Bを耳にするとき、あんな時代もあったなあ、とすこし回顧的になることができます。