俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

サイラス・モズレー「夜が来る」

サントリーのウイスキーのCM曲です。小林亜星さんの代表曲と言っていいでしょう。ずいぶん昔に使われていたこの曲が、最近はまたサントリー・オールドのCMで使われているようですね。

若い男が、恋人の父親のもとを、結婚の承諾を求めて訪ねてゆく、という例のCMです。寡黙でどこか人嫌いな風の父親が、即座に承諾してもよさそうなところを、わざとそうせず、娘の恋人とウイスキーを酌み交わす、そんなストーリー。本当は、娘が好青年をつれてきたのが嬉しくて仕方ないのに、この父親、そうは言いません。「いやなやつなら一発で折れたのにな」。

この一癖ある父親を演じているのが國村隼さん。一徹な職人気質のお父さんを演じさせたらこの人の右に出る者はいない、と当たり障りなく褒めておくところですが、この人のかもし出す頑固さは、ときに「偏屈さ」の域に達することがあって、そこがいいんですね。映画『交渉人真下正義』の地下鉄の指令所の所長のときなんて、あの歳で独身のマザコンという役を好演しました。先日までTBSで月曜8時に放送してた『あんどーなつ』の菓子職人の役もよかったですよねえ。『あんどーなつ』、『水戸黄門』みたいにシリーズ化しませんかねえ。

サントリーのCMの話でしたね。平穏な毎日が今日も暮れてゆく、そんな夕暮れどき、頑固で偏屈なお父さんの心の中では、こんなメロディが流れているんでしょうかね。歌うはサイラス・モズレーなるたぶん米国人。ロンロン、シュビダバ、シュビラレン…