俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ピーター「夜と朝のあいだに」

職場では長らくマッキントッシュとウインドウズを机の上に2台並べてLANにつないで使っていました。

でですね、マックはOSが9.1のまま。マックのちょっと特殊なワープロソフトで教材を作っているので、こんな状態が続いていたのですが、ウインドウズ機のほうを買い替え、部屋も大掃除を敢行したのを機に、マックからLANの線を抜いて場所を移動させ、完全にオフラインで使うことにしました。机の上が一気に広くなって気持ちのいいこと。

ただ、買い換えたウインドウズ機のほうは当然のごとくVISTAで、いろいろ戸惑うことが多いです。大きなトラブルというわけではないですが、たとえば、WINDOWS UPDATEが午前3時に自動的に更新されるように設定していたのに、これがその通りに動作しないんですね。手動でやろうとしてもダメ。何度トライしても失敗します。職場のシステム担当者のところへ行って相談したのですが、プロキシが邪魔して外へ出られないのでは、ということになって、その部分だけ「通る」ように計らってもらいました。

でも不思議ですよね。自宅でも、僕はコンピューターの電源を落とさないんですが、そうすると、僕自身がぐっすり眠っている真夜中すぎに、コンピューターは自動的にアップデートの作業を行っている…午前3時。「夜と朝のあいだに」ってそれくらいの時間を指しているんでしょうか。

ピーターこと池畑慎之介さんの16歳のデビュー曲。これ聴くと、阿久悠も天才だけど、なかにし礼も実に才気あふれる詞を書くなあと思わされます。情事が終わって愛人の束縛から解放され、常識人たちの日常が始まる早朝までのわずかな時間、ひとりベッドに横たわって「死人のように」天使の歌を聴いているシスター・ボーイ。渋沢龍彦氏がかつてどこかで言っていた様に、しょせん「愛の機械」にすぎない人間が、その昆虫の労働のような愛の営みから解き放たれて、つかの間「ひとり」になることの甘美さ。深い疲労と孤独、浅いまどろみ…

いや、もうあれこれ言うのはよしましょう。ヘッドホンをかけて、ピーターさんの低い歌声に聴き入るのみ。1969年、政治の動乱をよそに、こんな隠花植物のような歌が巷に流れていました。昭和40年代の歌謡曲の、もっともディープなくぼみをなす一曲。お前も、静かに、眠れ。