PANTA[屋根の上の猫」
先日の記事で、アマゾンはアルゴリズムで意外なおすすめ商品が出てくるから面白い、といったことを書きました。でもってその後iTunesのヴァージョンを上げたら、iTunesStoreでもサイドバーに「まだ持っていない曲」というのが出てくるようになりました。たとえば、金曜、土岐麻子さんのことを書いたんですが、彼女の「ロマンチック」、別にCD店に行かなくてもiTunesStoreで150円で買うことができました。すると、サイドバーに出てくること出てくること、同傾向のアーティスト。「ライブラリ内の曲を選択するとGeniusサイドバーに関連する曲が表示されます」ってさ。ただ、あんまり意外なものが出てくるわけじゃないですね。土岐さん本人のほかに、キリンジ、空気公団…必ずしも僕がそのすべてを知っているという意味ではないですが、モダーン今夜なんてCDで全部持ってるし。でもって、再生する曲を変えると、このサイドバーに出てくる曲も変わるわけです。で、何かの拍子にこのサイドバーのおすすめの曲がすべて頭脳警察になりました。あ、買おうかな、と思います。確かにこうして表示されると。でも今日はすでに何曲か買っちゃったし、ライブラリに入ってる曲でがまんするか…、ということで今日の一曲はPANTAさんのソロ「屋根の上の猫」。
フルバンドをバックに自作曲を歌っている、と書くと、なんだかとてもダサく聞こえるかもしれませんが、そんなトロくさいもんじゃありません。ある意味、和製ブラス・ロックの最高傑作じゃないですか。あくまでも文学的な詞に、PANTAさんの独特な声。そしてエッジが立ちまくりのホーンセクション。あからさまに政治的なメッセージじゃない分だけ、かえってとてつもなく過激なものを聴いてる気にさせられます。この詩的感興の盛り上がりのなかで、オレはキミになり、キミはオレになり、そうして、オレもキミも、いつか、なぜか、猫になっていて、「そして そのまま ああ また屋根の上!」いやあ、燃えます。
僕はこの曲の入った『PANTAX'S WORLD』を持ってなくて、長らく大槻ケンヂさんの『オンリー・ユー』収録のカヴァーでがまんしてましたが、ITunesのおかげでPANTAさんのオリジナル版を聴けるようになりました。オーケンも悪くなかったですが、やっぱPANTAさんのオリジナルは別格。こういうものが今後もどんどん出てくるんだったら、Geniusサイドバーの機能、大賛成です。