表六玉
老母が笑うこと笑うこと。
亡くなった祖父がひょうきんな人で、意表をつく駄洒落を言っては僕らを呆れさせていました。でもって、TV番組で「評論家」が登場するたびに「表六玉(ひょうろくだま)じゃ」と言っていたんですね。この週末も祖父の思い出話になったとき、老母がその話をするのです。「じいちゃんはTVに評論家が出てくるたびに表六玉って…、何だろうね『ひょうろくだま』って。そんな言葉、あるのかね。辞書を引いてみようかしら」。さっそく『新明解国語辞典』を持ってきて引くと、ちゃんと載っています。「まのぬけたやつ(広義では、軽薄で取るに足りない者をも指す)」だそうです。この項目の次にずばり「評論」の項目が来るところがミソ。老母の笑うこと笑うこと。
評論家ったってピンからキリですよ、母よ。大学院を出て、あちこちで教えながら、ポストがないから評論家を名乗ってる人だっているんですよ。何より、批評という言説のスタイルでしか語れないことだってあるんですから、そう馬鹿にしたものでもないんですよ。
関係ないけど今日の音楽は夏木マリ『gorilla』。いや~歌詞がエロティックだね。こんなの老母を乗せているときは車で聴けないね。