俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

山本リンダ「ウブウブ」

山本リンダ再評価ですら、もう20年以上もまえの出来事だと思うと気が遠くなります。僕自身はそれに先立つ1979年ごろには山本リンダを聴き狂っていました。自分の趣味が早いということを誇示するわけじゃないですよ。当時、『ポパイ』誌に載ったプラスチックスの紹介記事で、彼らがどんな音楽に影響を受けたかが列挙されていて、その中に郷ひろみとか山本リンダの名があったのです。いや待てよ、あれは『ニューミュージックマガジン』(のちにニューがとれる)だったかな。

で、すでにその頃、この曲が好きでした。

ソラソラあなたは それだけで

カレカレ気取りは 迷惑よ

うぬぼれないで 気まぐれなのよ

なのにあなたは もう夢中

アハン ウフン くちほどじゃ

アハン ウフン ないひとね

遊びのつもりで かまってみたのに

恋人気取りは(恋人気取りは) うぶなあなたの早とちり

山本リンダ「ウブウブ」 伊藤裕弘作詞 加瀬邦彦作曲 荻田光雄編曲)

この傾向の曲では「きりきり舞い」のほうがヒットしたのでしょうが、加瀬邦彦作曲の「ウブウブ」の高揚感はまた格別。明るく能天気な音頭のリズムに乗って、リンダさんがわがままなコケットぶりをまきちらします。「アハン ウフン」の大サービスは聴き応え満点。いや、それにしてもこの歌の主人公、迷惑な女だなあ。こんな目にあったらたまったもんじゃないなあ。もう一回聴こう。