俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

マリアンヌ・フェイスフル『二十世紀ブルース』

『二十世紀ブルース』というのは原題で、邦題は以下のようになっています。

『マリアンヌ・フェイスフル・シングス・クルト・ワイル~ワイマールの夜』(1996年)

マリアンヌ・フェイスフルが独特のしわがれ声でクルト・ワイルその他のワイマール・ドイツの作曲家のソングを歌っているライヴ・アルバムです。「アラバマ・ソング」「海賊ジェニーの唄」「マック・ザ・ナイフ」「スラバヤ・ジョニー」などが聴けます。「セーヌ哀歌」がフランス語のほかは全曲英語の訳詩で歌っています。一度歌詞カードをじっくり眺めながら聴き通したいものですが、どうしてもヘッドホンで眼をつぶって聴いてしまいます。楽曲に対する深い理解に支えられた歌いぶり。圧倒的な聴き応えです。

あわせて以下の本も、今度暇が出来たら読みます。

ピーター・ゲイ『ワイマール文化』(亀嶋庸一訳、みすず書房、1999年)

ピーター・ゲイのものは、他にModernism:The Lure of Heresy:from Baudelaire to Beckett and Beyond, W.W.Norton&Company, 2008.という最新刊が届きましたが、残念ながら読む暇なし。

今、急には出てこないんですが、昔々、山口昌男『本の神話学』(中央公論社[中公文庫]、1977年)を読んでワイマール文化というものの影響力の強さを教わりました。僕のドイツ語はとうとうものになりませんでしたが、憧れだけは強くて、二度目の学部時代、ブレヒトを読む授業にも少しだけ出ていたことがあります。今、マリアンヌ・フェイスフルのこのCDを教材に、深夜一人だけでゼミをやっている気分で聴いています。