俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

本と雑誌

T・S・エリオット『キャッツ』

どこかのブックオフ(かその種の新古本店)で買ったまま書棚で眠っていたこの本。 T・S・エリオット『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う法』(池田雅之訳、ちくま文庫、1995年) ミュージカル『キャッツ』の原作本か…程度の認識で買ったはず。解説…

湯浅学『音山』

この本、10年前の4月に出てます。今の今まで手に取らなかった僕の目は、ほんと、節穴です。 湯浅学『音山』(1999年、水声社) 湯浅学さん。雑誌のレコード評などで断片的にその文業に接していましたが、そのオーヴァードライヴのかかった、独特の修辞を…

剽窃の擁護

中井英夫「黒衣の短歌史」(『中井英夫全集 [10] 黒衣の短歌史』、2002年、東京創元社)を読んでいて、ハッとするような引用にぶつかりました。アナトール・フランスが『剽窃の擁護』なる著作で、次のように言っているそうです。 「思想をぬすまれたと思…

ひきつづき岡崎京子『東京ガールズブラボー』

そんであたしは高校卒業するまでに 6回家出して6回ともつれもどされた その間にYMOは散開しディズニーランドは千葉にできて ローリーアンダーソンがやってきて 松田聖子がケッコンした ビックリハウスが休刊して「アキラ」が始まった 何となく「どんどん終…

ひきつづき岡崎京子『東京ガールズブラボー』

というわけで、印象に残る場面だけ拾っていっても3,4回では書ききれないぐらいあります、『東京ガールズブラボー』。今回書かなければと思うのは、ガールズのほうではなくて、ニュー・ウェーヴ少年のほうです。この作品には、サカエちゃんに恋をする犬山…

ひきつづき岡崎京子『東京ガールズブラボー』

昨日に引き続き『東京ガールズブラボー』の話です。 お使いに出たまま近田春夫&ビブラトーンズのライヴに行ってしまったサカエちゃん、お母さんから外出禁止とお小遣い停止の「処分」を食らいます。せっかく憧れの東京に出てきたのに、学校はつまらないし、…

岡崎京子『東京ガールズブラボー』

先月、となりまちの若者向け書店で、岡崎京子さんの単行本を何冊か買いました。 80年代の中頃、柄にもない会社員だったころ、近所の酒屋さんの雑誌スタンドで『コミック・ハンバーガー』という不思議なマンガ誌を見つけました。知らない漫画家さんの作品ばか…

天球儀文庫

もう2年前になるんですが、8月に、ユジノサハリンスクへ3日間だけ出張しました。夏休みは自分の勉強がしたいのに…と思いますけど、仕事ですからね、行けといわれれば行きますよ。出発の前日、函館駅前のホテルに泊まったんですが、夕方、函館駅構内の書店で…

こどものための聖書

ヨーロッパ文学研究って大変だなあ(なんだか他人事みたいな言い方ですが)、と思うのは、聖書のことをひととおり知ってないと話になんないんですね。で、恥ずかしいことに、僕は聖書に強くありません。最近本棚から 『こどものための聖書 旧約と新約』(モ…

書誌学的情熱

暇が出来たら読もう、という本がどんどんたまってゆきます。先週届いた本は 宮澤淳一『マクルーハンの光景 メディア論がみえる』(みすず書房、2008年) 「理想の教室」シリーズの一冊。例によってまだ読んでません。この週末読めるかな…と思いましたが、土…

巨匠、現代ロシア文学に言及する

筒井 今島田さんがおっしゃったのは、何のために書くかという話ですが、それに関して『トラウマの果ての声』(群像社)に面白いことが書いてある。この本は現代ロシア文学と、それから全体の現状を解説しているんです。これを読むとロシア文学の二つの方向が…