サンフラワー’７６ - 俺にはブルーズを歌う権利なんかない

ベンチャーズコピーバンド Sunflower'76　サンフラワー76

「検事はわれわれの同志たちを野蛮人だ、文化の敵だと呼びました……」

「その方たちの事件に関係のあることだけを申せばよい！」

「これは関係のあることです。誠実な人間に関係のないことは何一つありません。だから口を入れないでください。わしはあんたらにたずねたいが、あんたらの文化とはいったい何です？」

　ぼくが大学へ行けたのは、ぼくの努力というよりは、大学さえ出れば一生つらい肉体損耗労働をせずに暮らせると信じて疑わずに仕送りをしてくれた中卒の両親のおかげ。でも育ちが育ちだから、やっぱりホワイトカラーの暮らしというのは、ぼくには全く理解できなかった。そこでは「働く」という動詞の意味が、どうやらまるで違うらしい、と今になって思う。

　で、れっきとしたロシア文学の専門家が、自らの専攻を「ロシア文学」ではなく「ロシア文化」と書いていたりするのは、あれはいつからなんだろうか。

　ぼくはあれだな、高校のときにお決まりのパンクロックの洗礼というのがあって、ジョニー・ロットンが、文化というのは政府が国民を管理するための道具だと言ったとか言わないとかの議論を音楽雑誌で読みかじって、それ以来、「文化」という言葉を肯定的な意味で使えなくなってしまったのだな。こんなところでこんな一節に出くわして、なんだか懐かしいような気がしたな。