トーク・トゥ・ミー
東北の某県庁所在地。タブレット片手に向かったのは喫茶店。河岸にならぶブティークなど、いまこんな感じなのかとまぶしい思いでした。喫茶店は、今も変わらずやっていました。一階がギャラリーになっていて、二階がカフェ。ただ、スリッパに履き替えて階段を上っていくのだということを忘れていましたね。アイス珈琲をすすっていたらお店の人に言われて、ああそうだったと思いだす始末。
さらに、思い出いっぱいの新刊書店へ。むかしはハードな人文書がぎっしり棚を埋めていたような気がするのですが、これも時代なのか、マンガ本、ハウツー本、学習参考書ばかり。まあ仕方ないことですが、ここで何か発見があるのではと思っていたので、少しがっかり。古い映画の290円のDVDがありましたが、これは買ってるときりがないので断念。『ローマの休日』など、BSで放送され、録画して持ってるものも多いし。で、歩いてホテルへ帰還。
こんなきれいな街を去って、わざわざ経済の厳しい北海道へ帰ったのが、今となると惜しいような気もします。事実、この街へ来たときは、もう北海道へは帰るまい、もっと勉強して南を目指そう、と思っていました。結局いろいろあってここを去ったのですが、はじめて外国語の本を一冊読み切る経験をしたのがこの街。むろん、それはまったく個人的経験に過ぎず、外国語の習得とこの街の雰囲気に何か必然的な関連があったわけでもないのですが、むしょうに懐かしくて、今回は来ずにはいられませんでした。
自分の思い出の中では、三月になると街はもう春だったように思うのですが、雪がのこり、強い風が吹き、天気は良くなかったですね。でも風がやみ、おてんとうさまが顔を出すと、そうそう、こんな感じだった。あのころ、春休みのがらんとした図書館で、むさぼるように横文字の本を読んでいたのが、昨日のことのようです。
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この前日は雪の千歳に一泊したのですが、そこでドイル『緋色の研究』を読了。そうかこんな話だったか。くわしくは書きませんが、ロンドンでの殺人に、アメリカでの古い事件の遺恨がかかわっているという筋立て。新大陸=植民地を一種の蛮地として描き出すこの作品、北海道在住者として興味深く読みました。水上勉『飢餓海峡』なんてのも昔読みましたっけ。
Dave Mason - Talk To Me - YouTube
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