俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ボーン・トゥ・ブギー

ロックって一体何なのか…ろくに勉強もしないで、来る日も来る日もそんなことを考え続けていた80年代の初頭、Tレックスを聴いていました。そのころ夢中だった近田春夫&ハルヲフォンの音楽的ルーツのひとつがTレックス、ということもあって、よく聴きました。だから、もう何年も聴いていない「ボーン・トゥ・ブギー」が、今でも体の中のどこかで鳴り続けているような感じがするのです。たっぷりと歪んだギターの響きに、ブギーのリズム。

それにしても、ロックって何なのでしょう。黒人音楽にあこがれるけれども自分たちは黒人のようには演奏できない、という事実に対する批評行為、と言ったのは渋谷陽一さん。電気信号を空気振動に変えること、と言ったのは、たしか岸野雄一さん。ロックってのは、太っていて友だちのいない、暗い男の子のためのオンガクなんだよ、そんな発言も誰かがしていました。『ロック54』というしゃれたタイトルのミニコミのことも、昔どこかで読んだことがあります。そういえば江戸アケミはロック、ロック、禄でなし、と言ってなかっただろうか…

昨夜、夜中に起きだしてCD棚でTレックスのCDを見つけました。もう10年以上聴いてないような気がしますが、僕の音楽的体験の深部に、はっきりと刻印を残してます。マーク・ボランの声と、ギターの音。この電気的なブギーは、黒人音楽の換骨奪胎としてのロックの、ひとつの頂点だと思います。