俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

頭脳警察「ふざけるんじゃねえよ」

ずいぶん以前ですけど、友達に「若い人に外国語を教える仕事がつらい」と愚痴をこぼしたことがありました。もう10年以上前かなあ。詳しい話は忘れちゃったんですが、そのとき友達は「教える仕事は闘いだ。楽なものではないに決まっている。オレなんか授業に行く前は顔をバンバンたたいて気合を入れて、頭の中では『猪木のテーマ』が鳴り響いているんだ」と叱咤激励してくれました。

楽じゃない仕事の前に顔をバンバンたたいて「猪木のテーマ」、ねえ。イノキ、ボンバイエ、イノキ、ボンバイエ、今日は動詞の第一変化を教えるぞ、ってね。その話はすごく腑に落ちましたよ。

で、話はちょっと変わるんですが、学者さんの集まりみたいな席に出てゆくとき、僕の中では「猪木のテーマ」ではなくて、頭脳警察「ふざけるんじゃねえよ」が鳴っているときがかつてありました。あんまり学会でいじめられたりということってないんですけど、たまに出て行くと、ちょっと冷淡にあしらわれたりっていうことはないわけじゃなかったですね。

いや、この歳になると、皆さん別に悪意があるわけじゃないんだな、ってわかりますけど。10年以上前はいろいろ思うに任せないことが続いて、「ふざけるんじゃねえよ」って心の中で歌ってましたね。

まあ人間、歳をとると丸くなるというか、圭角がとれるというか、って自分で言うのもアレですが、そこまでしてえらい先生たちをまんまと出し抜いてやろうとか思わなくなるんですね。他人は他人、そんなことより、自分は自分にできることを積み上げていけばいい。

でもたまにiTunesをかけっぱなしにしてると、いつのまにかこの曲になっていることがあって、口ずさんでしまいます。頭脳警察「ふざけるんじゃねえよ」。別に目の前に告発すべき敵がいるわけじゃないというときでも、この曲聴くと闘志がみなぎって元気が出ますよ。