俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

丸山圭子「どうぞこのまま」

これもなんかヴァージョンが違うなあ…。

オリジナルの入った丸山圭子さんの『黄昏めもりい』(1976年)、どこかへしまいこんじゃって、そんなときの奥の手でiTunesStoreでズボラ買いしたのを聴いてるんですが、オリジナルの録音と違うんじゃないかなあ。いや、同じような気もするんですが…でもやっぱり違うかなあ…

ともあれ。外は雨。部屋の中ではひめやかな逢瀬。そんな濃密な愛のひとときを、匂い立つようにセクシーな短音階ボサノヴァで歌いあげた曲。丸山圭子さんの二十歳そこそこでの自作曲です。自作自唱ですから、当時の分類ではフォーク/ニューミュージックの範疇に入っていましたが、今振り返ると、70年代の新しい歌謡曲のひとつとして聴けるんですね。詞の内容も政治的・社会的なテーマではありませんし、丸山さんの姿かたちも、当時TVで見る限りではジーンズ姿ではなく、往年のジャズ歌手のようにあでやかないでたちでした。当時のキャッチコピーは「よみがえるモガ」。お洒落でかっこいいおねえさんという感じですかね。

曇りガラスを伝わる 雨のしずくのように

ただひとすじに ただひとすじに ただひたむきに

でもなんかヴァージョンが違うような気がするんだなあ、これ。『黄昏めもりい』を探し出して、深夜、ヘッドホンでゆっくり聴きます。