俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

渡辺貞夫『ライヴ・アット・ピット・イン』

慌ただしい新年度、って、これは前に書きましたね。始まっちまえば、今年も去年の繰り返しですよ。朝早く起きて、誰も出勤していないキャンパスでミネラル・ウオーター飲みながらぶらぶらして、8時30分を回ったらさあ始動、という日の繰り返しです。夕方と週末だけが楽しみの、勤め人の日常。学生だった頃、無職だった頃、さらにふたたび学生だった頃なんて、別に懐かしくないさあ…いや、ちょっと懐かしいか。

古本屋の店先やジャズ喫茶の暗がりを好む二流の知性としては、週末の深夜なんかは、こんなのがなごみます。

渡辺貞夫『ライヴ・アット・ピット・イン』(1974年12月24日、新宿ピット・インでのライヴ)

僕は紙ジャケのCDを繰り返し聞いていますが、紙のジャケットは擦り切れて古書の手触りです。もともとセコハン屋で買ったんですよね。音のほうはもちろん、なんら変わりなくよく鳴っています。渡辺貞夫の歌うアルトを中心に、シダー・ウォルトンp、サム・ジョーンズb、ビリー・ヒギンズdsという布陣。曲が、「ボディ・アンド・ソウル」「朝日のようにさわやかに」「オレオ」「ブルース・フォー・アモス」(この曲知らない)「ブルー・モンク」という有名曲ぞろいで、こんだけやってくれりゃあ文句ないですよ。

僕はこれ、なんとなく、初夏の深夜の雰囲気で聴いていましたが、12月の録音なんですね。でもなんか、ジャズ喫茶やライヴハウスの夏の深夜の雰囲気がするなあ。ナベサダさんのアルトが鳴っててさあ。換気扇が回っててさあ。ドアが半開きでさあ。通りで誰かが騒いでてさあ(注:さすがにこのライヴ盤にはここに書いたような音は入ってないです。念のため)。個人的な思い込みってやつですか。

今年のゴールデンウィークナベサダという手もありますね。最近うららかで、楽しみなんですよ、今度の連休。何を聴こうかなあ。