俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

のっぽのサリー

いや、すごい事になってます。札幌出張の際に参加した研究会の話。その名も「第三回共産圏アニメSF妖怪研究会」ときたもんだ。ロシア文学と中国文学の大学院生がジョイントして立ち上げた企画だそうです。

今回はロシアの回。フョードル・ヒートルクという監督の短いアニメ作品を一挙7本上映。字幕はすべて博士課程の院生が時間をかけて独力でつけたもの。その丁寧さに驚きます。「くまのプーさん」の翻案も面白かったけれど、最初に上映された『ある犯罪者の物語』(1962年)が凄かった。中年男がアパートの中庭に出てきて、いきなり主婦2人をフライパンで撲殺する、という衝撃の出だし。その理由が24時間前にさかのぼって解き明かされる…というストーリーです。途中、あっ、これは「ロング・トール・サリー」だ。男を悩ませるアパートの騒音の一つとして、この曲が使われているのです。誰のヴァージョンだろう。リトル・リチャード本人のヴァージョンかな?と思ったのですが、帰って来てすぐiTunesStoreでリトル・リチャードのを150円で買って聴いてみると、違うかもしれないなあ…。いや、最初、ビートルズだ!と思ったんですが、それだとこのアニメの製作年(今調べるとビートルズのものは1964年、だそうです)と整合しないし…プレスリーだったかもしれない…もう一度観ないとなんとも言えないですね。それにしても1962年のソ連のアニメで「のっぽのサリー」とは、驚きました。音源はどこから手に入れたんでしょうか。

興味の尽きない、果敢で意欲的な研究会でした。また行きますよ。でも、この研究会の名前で、出張申請が通るんだろうか…