俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ひきつづき岡崎京子『東京ガールズブラボー』

そんであたしは高校卒業するまでに 6回家出して6回ともつれもどされた その間にYMOは散開しディズニーランドは千葉にできて ローリーアンダーソンがやってきて 松田聖子がケッコンした ビックリハウスが休刊して「アキラ」が始まった 何となく「どんどん終わってくな」という感じがした 浪人して美大に入って東京で一人ぐらし始めた年に チェルノブイリスペースシャトルの事故が起こった[中略]そしてそれから みんな、口をそろえて 「80年代は何も無かった」ってゆう 何も起こらなかった時代 でもあたしには…

ちょっと引用が長くなりました。『東京ガールズブラボー』下巻の最後のページからのものです。この後に浅田彰氏と岡崎京子さんの電話対談(1992年)が収められています。80年代。何も起こらなかった時代。でも「あたし」には、という部分をきちんと受け止めなくてはなりません。主人公サカエちゃんにも、僕にも、そしてたくさんの若い人にも、あんだけいろんなことが起こったんですから。

そういえばいつでしたか、金曜の夜、FMラジオをつけっぱなしにしていたら、渋谷陽一さんが「80年代は嫌いですからね。あのころはロック評論家を廃業しようかと思ってましたからね」とおっしゃっていて、アハハと苦笑。上に引いたサカエちゃんの80年代総括と比較すると、とても興味深いと思います。今日は部屋を掃除してトーキング・ヘッズ探して聴こう。