俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

英語の語彙は8000から1万語を目指そう~鳥飼玖美子『本物の英語力』

 まず、よく「ボキャビル(ボキャブラリー・ビルディング)」の必要性が言われますが、「語彙」はどの程度あったら良いのでしょう。話したり書いたり使いこなすことのできる発表語彙は、読んだり聞いたりした時に理解できる受容語彙よりも少ないとされているので、たくさん知っていればいるほど良いに決まっていますが、頭の中に詰め込める単語の数には限りがあるような気もします。これを見極めるには、「何のために英語を学ぶのか?」という、そもそもの目的を確認する必要があります。ちょっと海外旅行に行くから、というのなら中学レベルの語彙で何とか間に合うでしょう。けれど、仕事で英語を使おうという場合は、8000語は必要です。何かの問題について議論するとなれば、1万語は欲しいところです。北米の大学や大学院に留学して本格的に学ぶとなれば、やはり同程度の語彙力は必要で、アメリカの一流大学が入学の条件としているTOEFLスコアを見ると、およそ8000から1万語レベルであるのが分かります。ちなみに英語母語話者の語彙サイズは2万語くらいと言われています。

 

本物の英語力 (講談社現代新書)

本物の英語力 (講談社現代新書)

 

  ひさびさに『ジャパン・タイムズ・オン・サンデー』。一週遅れだけれど、明日か明後日また今週号が来るので、あわてて読む。が、そんなにあわてても頭の栄養にならないので、2時間で5ページくらい。なにせ、ニュースの速報性はCNNにかないっこないけれど、読んで正確に理解しておくためには書かれた媒体がけっきょく必要だ。

 そうして読んでいると、やっぱり語彙は、書かれたものの方が多い。しゃべるニュースでは使わない言い回しが論説などではバンバン出てくる。それを読めてこその英語力だと思うので、おろそかにせずにきちんと読む。

 それにしても、倉本聡が脚本を書いているというTV朝日の昼のドラマ『やすらぎの郷』に関する論説は面白い。

In the Asahi interview, Kuramoto complains of the treatment that his generation of professionals has received at the hands of TV. His bitter reaction was provoked by the 2009 death of actor Reiko Ohara, who was one of the most popular Tv and movie stars of the 1970s through to the '90s. Ohara all but disappeared by the late '90s and became a recluse. She died alone, her body undiscovered for several days. To Kuramoto, the indignity of her passing symbolizes what he feels is the heartlessness of the industry.

 大原麗子孤独死に追いやったTV産業の冷酷さに倉本氏がいかに怒っているか、というその点はとうに話題になっているのだろうけど、ぼくはこれを読んで知った。

やすらぎの郷』は何回か観て面白いなあと思った。TVや映画で活躍した往年のスターを受け容れるユートピア的な保養施設の話で、石坂浩二が演ずるシナリオライター浅丘ルリ子が「わたしにホンを書いて」と抱きついたり、けっこうなまなましい刺激のあるドラマだ。

 で、語彙の話だ。8000から1万語、これなら絶望的ではないよ。毎日、ニュースサイトを読むなどして時事的な英語に触れているだけでも、1,2年でそれくらいは行くように思う。ただし、やはり辞書は引いた方がいい。この本にも[スキミング」や「スキャンニング」など、一種の飛ばし読みのことが書いてあるけれど、ぼく個人は、そうした「ななめ読み」「飛ばし読み」をしても、あ~読んだという満足感はない。だから、あんまり興味がない。あくまで正確に読むことを続けているうちに語彙もだんだん増えてやがて早く読めるようになり、あげくにざっと目を通して内容をつかめる、といった高等技術に達するのがいいと思う。 


How to increase your vocabulary