俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

エアジン~トゥキディデスのわなのことなど

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 これか。「トゥキディデスのわな」。背筋が寒くなるようなスケールの大きな分析で、ほんとうにもう、ぼくが成人したころの、つまり80年代中ごろまでの国際秩序では世の中とっくにもたなくなっているのだ、と気が遠くなる。

 これはトゥキディデスが『歴史』に描き出したペロポンネソス戦争のアテネとスパルタの対立に由来するものだ。哲学や演劇などで文化の華が開いた新興勢力のアテネと、既成勢力のスパルタ。スパルタはアテネを自分の作り上げた秩序に無理やりでも押し込んでおきたいが、アテネにその気はなく、偶発事から戦争へ…というのがこの図式だ。これが今のアメリカと中国に当てはまるのではないか、というのである。

 イギリスとドイツが1914年、本人たちもはっきりと自覚せぬまま戦争状態に突入し、しかしそれが[世界大戦」という新たなカテゴリーを要請するほどの規模の災厄になるとはだれも気付かなかったことなども、ドイツ=新興勢力、イギリス=既成勢力とする「トゥキディデスのわな」の図式で読み解いている。膨大な流血と戦費を費やしながら、真の勝者はそこにはいない。当のドイツ皇帝自身が、イギリスで教育を受けて自分はほとんどイギリス人と言っていいとまで自認していた人物で、イギリスとことを構える気持ちなどさらさらなかった。しかし、急激に伸長するドイツの国力は軍備の増強をともない、やがて世界一の海軍まで備えるようになるだろう。そうなると、それは大英帝国が支配する国際秩序と相いれないのだ。

 まあ、詳しくは上記の記事を読んでおくれ。昨日はロシア語のサイトで、シリアの件でロシアが、トルコ、イランと首脳会談、中東に関してはもはやアメリカはお呼びでない、といった論説を読んだ。英語の重要性も、このマクロの視点でみたら、いったい不変のものでありうるのか。20年後には、中国語版のTOEICみたいな語学検定が流行しているんじゃないのか。そういえば、もう勤めを辞めるとき返却したので手元にないのだが、"Do You Speak American?"という本を読んでいたら、いま英語以外にやるとすれば中国語、とはっきり書かれていた、あれは10年くらい前の本?

 毎度書いていることだが、年末年始はつらい。CNNもなんだか特番みたいなのやってるし、NHK-BSのPBSの『ニュースアワー』やABCの『ナイトライン』もやっていない。他人が仕事をしている平日にそんなもの見ているこちらがずれているのだが。ふだんのがらんとしたイオンとか、リサイクル店とかも、祝祭日には混んでるじゃないですか、

 ジャズ喫茶のある街に住みたいが、北海道のへき地で、自宅をジャズ喫茶化して我慢している。ランバート・ヘンドリックス&ロス、この曲の入ったLPを持ってるのだが。

 

Do You Speak American?

Do You Speak American?

 

  


Lambert Hendricks and Ross airegin