Tipitina
人間の思想がかくも巨大で無尽蔵に多様な遺産や自力で獲得した財産を有している現代においては、本格的で価値のある新しい言葉を語ることができるのは、偉大な先行者の肩の上に乗る場合だけである。
ニーチェからスターリンへ?トロツキー人物論集【1900?1939】? (光文社古典新訳文庫)
- 作者: トロツキー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/11/28
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ニーチェからスターリンへ―トロツキー人物論集 1900‐1939 (光文社古典新訳文庫)
- 作者: レフトロツキー,森田成也,志田昇
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/03
- メディア: 文庫
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冬来たりなば春遠からじ、の言い回しは、あまりに常識的過ぎて、ふだんはそんなに心に訴える力を持ってはいないように思う。しかし現に真冬のど真ん中にいて、あとふた月もすれば雪解けが目に見えてきて…ということが肌で実感できるのは、なかなか悪くない気分。けさ、夜明け前に外を歩いてみたけれど、寒さの中に街灯が輝いている街のながめは、もうそんなに陰鬱ではなかった。
年末からいろいろ読んでいるうちに、ロシア革命100周年も近い、とそれが気になって仕方なく、専門外のトロツキーなど読んでいるけれど、翻訳を介してもこの人の筆の達者なのには舌を巻く。これはイプセンを論じた章からの引用。イプセンはほとんど書物を読まない人だったので、彼を偉大な予言者として評価するのは当を得ていない、という文脈の一節。巨人の肩の上で、って、どなたかの本のタイトルにもなってたよね。
スキーもスケートもしない自分だが、冬は好きな季節、と確認しておこう。貧乏も冬にはあまり気にならない。誰かの本に「難しい本は冷蔵庫で冷やすとよく読めるようになる」とじつに不思議なことが書いてあった。冬は書庫全体が冷え切り、そのせいというわけでもないだろうが、この季節は、手に取る本すべてがすいすい頭に入る。