いい日、旅立ち
ニーチェからスターリンへ?トロツキー人物論集【1900?1939】? (光文社古典新訳文庫)
- 作者: トロツキー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/11/28
- メディア: Kindle版
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トロツキーの英語の評伝を買おうかどうか、いまだに迷っている…。むろんさっさと買えばいいのだが、そもそも自分はトロツキーの何を知っているのか。2010年に出たこの文庫さえ、ろくに読んでいないではないか。
ということで昨日手に取ってみたが、出だしのニーチェ論がやけに読みづらく感じ、そこで引っかかって読めなかったのを思い出した。で、それを飛ばして、次のイプセン論もあとまわしにし、ゴーゴリの章から読み始めると、すんなり入れた。面白くてたまらない。
ゴーゴリ以前、プーシキンですら模倣性を免れず、「ロシアのバイロン」の称号を奉られたのに対し、ゴーゴリは、もうこれは単なるゴーゴリ。それ以降、ロシアの作家たちはヨーロッパの天才たちの模倣者であることをやめ、「単なる」グリゴローヴィチ、「単なる」ツルゲーネフ、「単なる」ゴンチャロフ…を輩出するようになる…。トルストイの章なども、昨日まで読んでいたゴーリキー『わたしの大学』と突き合わせると、なるほどトルストイの人間観がくっきりわかる。ゲルツェンの章も、マルクスのスラヴ人観とロシア人のマルクス観が対比もあざやかによくまとめられている。
ということで、この種の本を読んでからでも、英語の評伝を読むのは遅くはないだろう。
山口百恵のアナログ盤、痛恨の針飛び。クリーニング液で洗浄したがダメ。ううむ残念。