マイムマイム
大学院を出てしまえば、書きかけの原稿をしつこく催促してくれる指導者はもういない。
できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)
- 作者: ポール.J・シルヴィア,高橋さきの
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/04/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これはいい本で、「文章の生産性というのは、ある種のスキルで、生まれつきの才能ではないのだと思う。スキルなのだから身につけられる」と、非常に親切な姿勢で書かれています。
明確なスケジュールを立て、決まった時間書けば、飛躍的にたくさん論文を書ける、という実用書。それができない言い訳を一つ一つ撃破していくところは、かなり耳が痛い。スランプなんて、詩人じゃないんだから、とか。
ただ、こういうことを実践している人は、何人か実際にお会いしたことがあります。
ぼくがまだ大学勤めだったころ、フィールド系の若い先生が赴任してきましたが、帰りが9時、10時になっても、必ずワンパラグラフだけは論文を書いて帰宅するんだと言っていました。ぼくもまねしたら、たしかにそのやり方でふたたび論文が書けるようになったので、なるほどとびっくりしました。
知ってる人はとっくに実践していること。知ってる人はもうこんな本を読む必要はありません。ぼくのこともさることながら、まとめ買いして、後輩たち、後輩の後輩たち、後輩の後輩の後輩たちに手渡して歩きたい。