Prince Albert
第三に、経済と政治とを、それぞれ機械的に下部構造と上部構造とみなし、ある一国における経済的基盤とその政治的な上屋とが、つねに対応して運命を共にするものという理解は、『経済学批判』を百遍引用してもメンシェヴィズムにかわりはない。
ジャズより他に神はなし (SANICHI REVIVAL SERIES)
- 作者: 平岡正明
- 出版社/メーカー: 三一書房
- 発売日: 1991/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
このへん、ロシア革命に即してくわしく勉強したことはなく、むしろ大塚久雄やカール・レーヴィットを読みつつ、幼いなりにとことん考えた問題。その後の、ものを考える基礎になりました。ずいぶん前にも書きましたが、芸術家の意識が経済構造の一次関数であるといった素朴な反映論を戒める論じ方は『ミュージックマガジン』で日暮泰文さんかどなたかがやっておられて、それもこの問題を考える大きな助けになりました。
これ、社会学で習ったのですよね。経済学だけで社会のすべてが説明できるとする「経済学帝国主義」への批判として「社会学」が台頭してくる、といった話でしたが、面白かったなあ。その授業で教授が、「経済史に興味がある人はまずもってマルクス『資本主義的生産に先行する諸形態』と大塚久雄『共同体の基礎理論』を読みなさい」と言ったので、その二冊を買って読むことは読んだような記憶が。でも、それがなんで会計学のゼミに行くことになったのかね。
その後、こっち方面ではなく、思い切って語学文学の専攻に切り替えちゃいましたが、今でもこの種の本を見ると興味をそそられます。