俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

ジャヴァ・ジャイヴ

 今秋二度目の札幌。こんなことが目的で来たのではないのに…と思いつつ、ふらふらと狸小路へ。中古レコード店の店先のCD棚をのぞいてマンハッタン・トランスファーの『ベスト・オブ・マンハッタン・トランスファー』がきわめて安価でおいてあるのを発見。他に、スイング・ジャズ三枚組のバッタもん、六〇年代ヒット五枚組など合わせて買いました。合計いくらとは書きませんが、散財というほどでもなく済みました。

 某名曲喫茶は九月に続いて二度目。札幌に住んでいたころ、来た記憶がありません。いや、来たことあるのかもしれませんが、もう憶えていない。いや、あんな立派なオーディオを憶えてないはずないから、やっぱり来たことないんでしょうな。今回、アイスコーヒーが終わっていたのを除けば、だいたいバッチリでした。ぼくはクラシックのリスナーじゃないですけど、店主の愛情、情熱、そういうものが感じられるお店で、よかったなあ。六〇代と思われるご夫婦のお客さんが仲良く腰掛けてモーツアルトに聴き入っているのは、正直うらやましかった…

 で、もうCDはいいや、と思ったんですが、目と鼻の先にタワーレコード。なんでもタワレコってアメリカの本家はとっくにつぶれているらしくて、CDが売れないようでいて決してすたれない日本的文化の牙城の感すらあります。で、ニューオーリンズR&Bの三枚組アンソロジーを入手。ずらり揃ったマディ・ウォーターズの国内盤は「我慢我慢」と手に取らずにおきました。あと、リロイ・カーを探したのですがなく、そうやって気になる物を探しているときりがないのでやめて、本来の目的である図書館に戻りました。

 今回は、実はiPodを水没させて修理に出しているので、その代わりというわけではないですが、昔使っていたポータブルCDプレイヤーをかばんに入れていきました。旅先でCDを買うことってよくあるんですが、ふつう宿に帰っても聴けないのね。パソコンのレンタルなんかやってるホテルならそれを借りてプレイすればいいんでしょうけど、パソコンのレンタル代って千円くらいしますしね。今回は用事を終えてホテルに帰って、これを使って買ったばかりのCDを聴いて夜を過ごしました。電池が切れてたのでコンビニに買いに行きましたけどね。

 マンハッタン・トランスファーのティム・ハウザーの訃報を聞いたのがつい先日。去年の東京ジャズのときも病気で来日できず、急きょ代わりのメンバーが入っての公演だったようで、ラジオで聴く限りあれはあれで素晴らしかったですけど、ぼくがマン・トラを知ったのが79年くらいだったはず。訃報には驚きましたが、お歳もお歳だったわけです。

 『ベスト・オブ・マンハッタン・トランスファー』は、アナログ盤の時代にもうすり切れるほど聴きました。ぼくにとってはこのグループ、ジャズ、ジャイヴ、ドゥーワップなどが混然となった多面性が魅力で、「ジャヴァ・ジャイヴ」なんか好きでした。これが純然たるジャズじゃないからオレは聴かない、という人、いないでしょう。

 暦でもすでに立冬だそうですが、ほんとに冬が来るんですね。これだけCDがあれば、吹雪で数日外出できない、という時でも退屈せずに済むでしょうか(停電では仕方ないですが)。そして、晴れたら外へ出てうんと歩かなくてはね。

 インク・スポッツのヴァージョンで貼っておきますね、「ジャヴァ・ジャイヴ」。


"The Java Jive" (Ink Spots, 1940) - YouTube