アナーキー『'80維新』
昨年、ロシアからのお客さんを見送りに函館まで出張しました。やったことのない酪農や畜産の通訳で、冷や冷やし通しでしたが、無事日程を終えて、お客さんたちはロシアへ帰っていきました。
その夜は函館に一泊。街でひとりで食事を取りました。焼き魚に冷奴にビール、とかそんな感じでしたね。そのあと函館の駅前をぶらぶら。函館駅前、日が暮れると誰も歩いてないですが、ふと見るとCD屋さんが開いています。一仕事終えた解放感で、どっと衝動買いしそうな予感がありましたが、そういうときって、案外「これだ!」という欲しいものが見つからないんですね。結局小一時間いたんですが、何も見つからず。でも手ぶらで出るのもなんとなく惜しい気がしたので、これを買いました。
彼らのセカンドアルバムです。もちろんパンクロックにもとづいた音楽なんですが、彼らの魅力は、そんな狭いもんじゃありません。暴走族もツッパリもみんな来い、という懐の深さが彼らの身上です。
叫んでやるぜあいつらに 気どってあるいてるやつ
オレたちのうたきいてみなよ あんたもあんたもあんたも
まだうらわかいのに おとなぶるくそやろう
はなでわらってるやろう きどってるんじゃねえよ
やつらはオレたちよりいいことなんてないのさ
やつらは TVや雑誌にふりまわされてるだけ
オレたち すてきさ イエー アナーキー
オレたち 本物 イエー アナーキー
オレたちこそ真実
「オレたち本物」と暴れまくる仲野茂のシャウトには時代を超えた説得力があります。この野太さ、豪快さ。そう、ブルーハーツの前に、僕らにはアナーキーがいたんです。