俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

冬の花

美術と音楽に関しては、まったく異なる状況が展開していた。文学とは異なり、それらはことばの環境と有機的に結びついてはいなかったし、周囲には理解する者とてない、その純粋さを守るのに懸命にならなければならないことば と結びつきがなかったのだ。また次のことも思い起こすべきだろう。ソ連政権はその存立の当初はモダニズムの流れとアヴァンギャルドの機運(たとえば建築や、応用デザインアート)を我慢強く取り扱ったし、奨励することさえあったのだ。それらが、新たな『プロレタリア的な』文化の形成と発展にプラスに働くかもしれぬと見て取ったのである。

 

 

Russia Abroad: A Cultural History of the Russian Emigration, 1919-1939

Russia Abroad: A Cultural History of the Russian Emigration, 1919-1939

 

  ファンヒーターが届く。小さいなあ、という印象。タンクも5リットルだから、真冬は頻繁に給油しなければならない。それでも、点火したりしなかったりの古いストーブは、ストレスもたまるし、危険だろうから、これで良しとしよう。今のところは、なかなか暖かい。

 学会から帰着してもう一週間。いろいろ得ることが多かったのは、とにかく、ひとりで勉強していても、いつのまにか小さくまとまって、我流におちいっていることに気づかされるからだ。まがりなりにも人前で話すようにレジュメをきちんと作る、ということをポツリポツリとでもやっていかなくては、人前で何も話せなくなってしまう。

 あと、東京や大阪の若手の研究者の発表。今の人らがきちんとしてるなと思うのは、そのレジュメ(ハンドアウト?)の作り方からしてそうで、要点やキーワードだけが載っているものでも、書誌がちゃんと注のかたちで示され、これに8000字くらい話の内容=本文を載せれば、そのまま学会誌に投稿できてしまう。

 質問は、まわりの様子も見ながらするのがよく、ロシア人のロシア語講師の力のこもった報告の後、司会の先生がさかんに論点を質し、付き添いの日本人の先生の解説もあったが、誰も手を上げないので、自分がコメントした。日本人学生がよくやる表現上の間違いを集めた報告で、あれをきちんとした形で字にしてくれれば、身近に添削してくれるロシア人の先生のいない学習者でも、かなりの程度、自分で作文の間違いに気づくことができる。ああいうのを有益な報告というのだろう。

 星くず、という自己卑下はおいといて、自主的な語学徒生活一か月、学会で中断は挟んだが、まだまだやる。単語集をやっているとロシア語のニュースサイトの理解度が確実に増す。ラジオを聴いていても効果を感ずる。ここでやめないこと。分野別になっている単語集の、社会、産業、経済、国家・政治、司法とつぶして、人体と健康をやり、今日は交通・運輸に入った。それから冒頭の人間関係、生活といった項目に戻るほうが自分のやる気の刺激には効果的。それと、英語も、アメリカで出ている語彙集で、やってないのをつぶす。

 ロシア人よりロシア語知ってる、アメリカ人より語彙が豊富、若い人はそれくらいのレベルを目指してやるべきだ。ひと冬続ける。


鮎川いずみ ♫冬の花♫