I Shot The Sheriff
右のような「自由貿易」化を示す典型事例として、遺伝子組み換え作物の問題がある。TPPの実現によって「遺伝子組み換え作物の表示義務」の撤廃を盛んに働き掛けているのは、同作物の生産において圧倒的なシェア(九〇パーセント)を誇るモンサント社(米ミズーリ州)である。同社は、過去にはベトナム戦争時に枯葉剤を開発したことでも悪名高いが、今日では「種子の独占」を謀る企業として世界的な非難にさらされている。すなわち、同社は、自社が開発した遺伝子組み換え種子に知的所有権を掛け、農民が自らの収穫のなかから保存した種子を翌年播種する行為を禁じた。(134ページ)
既視感ありありの一節、これは事実その通りなのか、(著者を含む)われわれが、いったんマルクスの私有財産制批判を通り抜けていることからこういう見え方論の立て方になっているだけなのか。なんにせよ、ちょっとマルクスをかじった過去は、そう簡単にはなかったことにできない。
しかし以下に続いてゆく部分なんか読むと、ビジネスの論理とテクノロジーの論理がこんな結びつき方をするのかと驚いてしまう。いろいろ言いたいことはあるが、メモ代わりに。
さらにモンサントは、ご丁寧にも「ターミネーター種子」を開発し、農家が自家採取した種子の播種を物理的に封じようとしている。「ターミネーター種子」とは、遺伝子組み換えによって種子が発芽しないよう作為的に改造された種子であり、その狙いは農家がモンサントから毎年種子を買い続けなければならない状態に追い込むことにある。
小雨降る国道沿いの、つぶれたコンビニを見た、秋の始まりの日に。スクリーミング・ジェイ・ホーキンス二枚組、つい買っちまった。もう冬ごもりのことを考える時期。一年なんて、あっという間。