俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

For Once In My Life


"For Once In My Life"- Gloria Spencer

「これは、だれの肖像ですか。」

「カイザルのです」

「では、カイザルのものはカイザルに、神のものは神に返しなさい」

 

聖書物語 (偕成社文庫 3033)

聖書物語 (偕成社文庫 3033)

 
聖書物語 (1968年) (現代教養文庫)

聖書物語 (1968年) (現代教養文庫)

 

  better later than neverという言い回しは、ヨーロッパ語ではどこにもあるんだろうか。この言い回しに初めて出会ったのは、ロシア語の教室だった。気の短いあんちゃんだったぼくは、「日本人だったら、いったん乗り遅れたら、そんなものくそくらえだと言うわなあ」などと誰かに言った記憶がかすかにある。

 でも、旬のときにさっさと乗るのが粋で気が利いていて、乗り遅れながらついていくのは野暮な田舎者、というのだったら、ぼくが学問なり勉強なりをする順番は、決してめぐっては来なかっただろう。

 「カイザルのものはカイザルに」。聖書のこの言い回しがそもそもどういう文脈で使われていたのか。いまからやっていたのではまったく間に合わないのだけれど、知らないままで通すよりはましだろう。回り道でも道は道、いつかどこかにたどり着く。希望を持とう。