俺にはブルーズを歌う権利なんかない

どこにも所属を持たず仕事/勉強/読書を続けています。2008年、音楽についてメモ代わりに書くためにこのブログを始めました。

いい日、旅立ち

ゴーゴリ以前には、ロシア文学は存在しようと努力していた。ゴーゴリ以降、ロシア文学は存在している。

 

  トロツキーの英語の評伝を買おうかどうか、いまだに迷っている…。むろんさっさと買えばいいのだが、そもそも自分はトロツキーの何を知っているのか。2010年に出たこの文庫さえ、ろくに読んでいないではないか。

 ということで昨日手に取ってみたが、出だしのニーチェ論がやけに読みづらく感じ、そこで引っかかって読めなかったのを思い出した。で、それを飛ばして、次のイプセン論もあとまわしにし、ゴーゴリの章から読み始めると、すんなり入れた。面白くてたまらない。

 ゴーゴリ以前、プーシキンですら模倣性を免れず、「ロシアのバイロン」の称号を奉られたのに対し、ゴーゴリは、もうこれは単なるゴーゴリ。それ以降、ロシアの作家たちはヨーロッパの天才たちの模倣者であることをやめ、「単なる」グリゴローヴィチ、「単なる」ツルゲーネフ、「単なる」ゴンチャロフ…を輩出するようになる…。トルストイの章なども、昨日まで読んでいたゴーリキー『わたしの大学』と突き合わせると、なるほどトルストイの人間観がくっきりわかる。ゲルツェンの章も、マルクススラヴ人観とロシア人のマルクス観が対比もあざやかによくまとめられている。

 ということで、この種の本を読んでからでも、英語の評伝を読むのは遅くはないだろう。

 山口百恵のアナログ盤、痛恨の針飛び。クリーニング液で洗浄したがダメ。ううむ残念。

 


☆山口百恵 ♪いい日旅立ち [ Digital Remix 2015 ]【HD】