Darn That Dream
そういえば、バフチーンで[ラブレー論の]次に面白い、ドストエフスキー論も、かつての先行訳『ドストエフスキーの諸問題』 だが、この邦訳こそ諸問題で、何か面白そうなんだが一体この不完全燃焼をどうしてくれるという感じだった。皆似た気分だったものとみえ、ちくま学芸文庫に別人が別個に新訳を試みていて、すると想像通り、これまた死ぬほど面白いのである。長い間、敬遠してきたドストエフスキーの問題作、『作家の日記』さえ、秀才ゲアリー・モーソンの『ジャンルの境界』を右に、そしてこのバフチーンの新訳『ドストエフスキーの詩学』を左に、実に面白く読めていくのだ。
超人高山宏のつくりかた (NTT出版ライブラリーレゾナント)
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- 作者: ミハイル・バフチン,Mikhail Mikhailovich Bakhtin,望月哲男,鈴木淳一
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The Boundaries of Genre: Dostoevsky's "Diary of a Writer" and the Traditions of Literary Utopia
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A Writer's Diary: 1873-1876 (Writer's Diary, 1873-1876)
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10年以上前、二つ目の大学に遊びに行って、アメリカ文学の師匠と飲み歩いた時のこと。何かの拍子で、T山宏さんやT山太佳夫さんなどの話になりました。恩師いわく、「ああいう先生たちはわれわれより三段くらい上の人たちで、ああなりたいとか思わない方がいいですよ。敬して遠ざけるのがいい」。
「われわれ」と恩師は言いました。ぼくは英文学専攻の道に進まなかったのですが、昔っから妙に話が合うので、恩師はその後もまるでぼくを英文の学生のように扱ってくれて、それが嬉しかったというのもあります。でも、あんまり化け物のような大家にあこがれない方がいい、というアドバイスもまた極めて具体的で、役に立ちましたね。
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札幌から帰って、五週分くらいたまっていた英語週刊誌をやっつけるのに一週間。製本に出したコピーの束はまだ出来上がって来ず。そうだその間にバフチンを読むというのはいいアイデアかも。