赤い戦車
いろいろな本を勧めてきましたが、小説も読んでくださいね。一九世紀のイギリスで発展したのは資本主義と近代小説です。人間や社会を考える上で、この二つはまさしく車の両輪のように必要なものです。[…]
こういう部分も悪くない。すぐれた社会科学者が文学を愛好する例は何人か知っているが、こうしてここにも、社会の鏡として小説を読め、といったことが説かれているのはいいと思う。
もちろん当の文学は、社会的諸関係の単純な記述としては読めないようなものへと発展してきたが、それは、主要な産業がモノづくりから知識や情報の操作を主とするものへ移行したことと歩調を合わせており、けっして社会のありようとは無関係ではない。むろん学問がポストモダンへとうつろっていったことも絡んでくる。
というわけで、↓三冊借りてきた。宿題山積だ。エロフェーエフなんか20年前に邦訳が出てるが、今まで読んでない。わーまずいじゃん。
それにしても、年金暮らしらしいおじいさんおばあさん、若いお母さんらに交じって昼間の閑散とした図書館にいると、自分が本当に遠くまで来てしまったことを感ずる。
夏がもう数日は残っているかもしれない、九月の中旬。
- 作者: ヴェネディクトエロフェーエフ,安岡治子
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1996/11
- メディア: 単行本
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Yapoos (ヤプーズ) - 赤い戦車 (Red Tank)