回転木馬
「『アン・アン』の創刊は、ヨーロッパの生活感覚と日本女性の生活感覚とをますます近づけるであらう。女が美しいことは、人生が美しいといふこととほとんど同義語だといふ、フランス人の確信が、日本にそのまま伝はることは大歓迎である」
1970年の『アン・アン』創刊に三島が寄せた一文というけれど、ここにドストエフスキー『白痴』の「美が世界を救う」がコンニチハしているように思えるのは気のせいか。
女性の美しさを世界の美しさと等置すること。「美しい」という言葉自体に、きりりと引き締まった美しさが宿り、それは女性の肌のつややかさや、均整の取れた健康な肢体に対応している。しかし、ぼくはよく知らないのだが、美しい女性の(それをいうなら男性も)、その美しさが、嫉妬や執着、怨恨で頽落していくということが、世間にはよくあるらしいではないか。それとも美しさという言葉は純化された理念であって、そうした衰弱や頽落の要素を含まないのだろうか。
このところ、あまり無理な早起きはしていない。来週出かける用事があり、その前はなんにも手につかないだろうと思って、キンドルのゼロ円テクストなどつらつら読んでいる。20数年前に読むべきだった、H・G・ウェルズ。読みやすい。
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