アラバマに星落ちて - 俺にはブルーズを歌う権利なんかない

　自立。そうだ自立しなければならない。

　そう思って、誰にも相談せず、ひとりで選んで、冬用のジャケットを通販で買ってみたのですよ。今日着いて、代金引き換えでひきとり、けっこういいものが買えたな、ただ、袖の長さはお直し屋さんに頼んで少しつめなきゃ、ぐらいに思っていました。

　外出から帰った老母、一目見て「こりゃ安物だね」とばっさり。生地も安物だし、裏地もついていないし、縫製もいかにも雑。でもまあ、見た目、そんなにみっともないわけじゃないから、よそ行きにしないで、ふだん着るんだね、と。

　「うん、二、三年着られればいいと思ってさ」と弁解につとめるものの、「三年は無理だね。いいとこふた冬。しかも、ほんとうの真冬はこんなペラペラの上着なんか着ちゃ寒いよ」とダメを出されました。パソコンを選んだりはわりと得意なんだが、洋服とか、靴とか、からきしわからない。

　あ～あ。返品してもいいんだが、もう面倒だから、普段着にしよう。

　CDプレイヤーではエラ叔母とルイ叔父が「アラバマに星落ちて」を唄っています。